道徳のこと。 ぜひ,ご一緒に。
 道徳Q&A
中学校道徳授業に役立つ20の質問

Q7

「道徳的価値の自覚」「道徳的諸価値
の理解」とは何ですか?

A7

「ねらいとする考え方や感じ方などの「よさ」を,
自分のこととして明確に意識することです。

道徳的価値とは

 『中学校学習指導要領解説 特別の教科道徳編』(平成29年7月,以下『解説道徳科』)に,

道徳的価値とは,よりよく生きるために必要とされるものであり,人間としての在り方や生き方の礎となるものである。

とあります。

 具体的に言えば,「強い意志」「生命の尊さ」「思いやり」などの単なる道徳の内容項目を分類したものではなく,それらの道徳の内容項目を含んだ道徳授業のねらいとする考え方や感じ方,行動の仕方をすることの「よさ」のことです。
 例えば,「教材中の主人公のように,悩みながらも強い意志をもってやり遂げることによって,自分に自信がもてるようになり,今よりももっと充実した生活ができる。」ということが,道徳的価値と言えます。

道徳的価値の自覚とは

 『中学校学習指導要領』(平成29年3月)第3章特別の教科道徳の目標には,道徳的価値の自覚という言葉はありませんが,『解説道徳科』には多く使われています。道徳的価値の自覚とは,端的に言えば「道徳的価値を自分のこととして明確に意識すること」です。
 『中学校学習指導要領解説 道徳編』(平成20年7月)には,道徳的価値の自覚について,押さえておく三つの事柄が示されています。

❶ 道徳的価値についての理解。
 (人間理解や他者理解を深める。)
❷ 自分との関わりで道徳的価値を捉える。
 (自己理解を深める。)
❸ 道徳的価値を自分なりに発展させていくことへの思いや課題を培う。
 (自己や社会の未来に夢や希望をもつ。)

道徳的諸価値についての理解をもとにとは

 「道徳的諸価値についての理解をもとに」とは,生徒がこれまでの生活経験や多くの人々との触れ合いの中で身につけてきた道徳的諸価値をもとに,道徳科の授業における道徳教材との出会いや,教師と生徒,生徒同士の語り合いを通して,改めて自分の道徳的価値について問い直すことです。
 しかし,それは道徳的価値についての理解(前述 ❶)であり,自分との関わりで道徳的価値を捉える(前述 ❷)ことによって初めて,人間としての生き方についての考えを深める学習に結び付くことになり,内面的資質である道徳性(道徳的判断力,心情,実践意欲と態度)を育成することにつながります。

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