Q6
A6
道徳教育の目標と道徳科の目標は,道徳性【道徳的
判断力,心情,実践意欲と態度】を養うことです。
特別の教科道徳の目標は,『中学校学習指導要領』(平成29年3月)第3章特別の教科道徳(以下「第3章特別の教科道徳」)第1目標に,
第1章総則の第1の2の(2)に示す道徳教育の目標に基づき,よりよく生きるための基盤となる道徳性を養うため,道徳的諸価値についての理解を基に,自己を見つめ,物事を広い視野から多面的・多角的に考え,人間としての生き方についての考えを深める学習を通して,道徳的な判断力,心情,実践意欲と態度を育てる。
とあります。
現行『中学校学習指導要領』第3章道徳(以下「第3章道徳」)第1章目標にあった「道徳的実践力を育成する」ことを,具体的に「道徳的判断力,心情,実践意欲と態度を育てる。」と改めています。
Q2で記述した通り,道徳教育の目標である「道徳性を養うこと」は,道徳的判断力,心情,実践意欲と態度などを諸様相としています。
特別の教科道徳(以下,道徳科)の目標を道徳性の諸様相と同一の内容とし,道徳教育との関連性を明確にしました。
「第3章道徳第1目標」にあった「計画的,発展的な指導によってこれを補充,深化,統合し,」は,「第3章特別の教科道徳」第3の2に移行して,
道徳科が学校の教育活動全体を通じて行う道徳教育の要としての役割を果たすことができるよう,…。特に,各教科,総合的な学習の時間及び特別活動における道徳教育としては取り扱う機会が十分でない内容項目に関わる指導を補うこと…
としています。
生徒は,各教科等の授業を含め,学校生活の中で道徳的価値について気づいたり感じたり考えたりすることはありますが,道徳の内容項目全てについて考える機会があるわけではありません。また,道徳的価値の意味などについて必ずしもじっくりと考え,深めることができているとも限りません。そこで,各教科等の授業では考える機会がない道徳の内容項目を含む道徳的価値や,各教科等の特質に応じて行われる道徳教育を通して気づき,感じ,考えた道徳的価値について,自分のこととして深く考え,これまでの自分の考え方,感じ方,行動の仕方を振り返り,道徳的価値の自覚を深める−これが道徳教育の要としての道徳科の授業です。