Q4
A4
構成や順序は改善されましたが,四つの視点や内容の
捉え方など基本的な考え方は変わっていません。
『中学校学習指導要領』 (平成29年3月)第1章総則に,「道徳科を要として学校の教育活動全体を通じて行う道徳教育の内容は,第3章特別の教科道徳の第2に示す内容とし,」とあり,現行を引き継ぎ,道徳教育の目標と特別の教科道徳(以下,道徳科)の内容は同じであることが示されています。
また,内容は平成元年の改訂から,生徒を多面的・多角的に見る視点である四つの視点によって分類整理されてきました。これも引き継がれていますが,次のように改善されました。
主として自分自身に関すること
主として(他の)人との関わりに関すること
主として集団や社会との関わりに関すること
主として生命や自然,崇高なものとの関わりに関すること
さらに,内容の再構成,順序の変更などの改善と,内容を端的に示すキーワードを付記しました。
現行 2-(2) + 2-(6)
↓
改訂 B(6)[ 思いやり,感謝 ]
内容の捉え方として重視したいのは,『中学校学習指導要領解説 特別の教科道徳編』 (平成29年7月)にある次の記述です。
教師と生徒が人間としてのよりよい生き方を求め,共に考え,共に語り合い,その実行に努めるための共通の課題である。…(中略)…なお,その指導に当たっては,内容を端的に表す言葉そのものを教え込んだり,知的な理解にのみとどまる指導になったりすることがないよう十分留意する必要がある。
道徳の内容は,教師が一方的に自分の価値観を生徒に教え込むのではなく,人間としてよりよく生きようとしている教師と生徒が互いに考え,自分の考えを共に語り合うための課題です。
週1時間の道徳科の授業を要として,学校の教育活動のあらゆる機会や場を通じて,内容にあるような考え方や感じ方,行動の仕方をすることの「よさ」,すなわち,道徳的価値について生徒自らが自分を振り返り,人間としての生き方を深く考えるための課題であるとともに,授業を展開する教師も自分を振り返り,よりよい生き方を考える課題でもあります。