Q3
A3
道徳性や22 の内容項目との関連を十分意識して,
各教科等の授業を計画的に行うことが大切です。
『中学校学習指導要領』 (平成29年3月)第1章総則第1の2に,次の記述があります。
学校における道徳教育は,特別の教科である道徳(以下「道徳科」という。)を要として学校の教育活動全体を通じて行うものであり,道徳科はもとより,各教科,総合的な学習の時間及び特別活動のそれぞれの特質に応じて,生徒の発達の段階を考慮して,適切な指導を行うこと。
この基本方針は,昭和33年版『中学校学習指導要領』をはじめ,これまでの改訂でも引き続き明記されており,道徳教育の目標である道徳性を学校の教育活動全体を通じて育成するという基本姿勢を示したものです。
生徒は各教科等の授業だけでなく,日常の学校生活,また,家庭生活や地域社会の中で多くの道徳的体験をしています。その道徳的体験を道徳科の授業で補ったり,深めたり,相互の関連を考えて発展させ,統合させたりすることで,生徒の道徳性をいっそう育てることができます。
こうした考え方に立って,道徳教育は道徳科を要として学校の教育活動全体を通じて行うとしています。
各教科等の特質とは『中学校学習指導要領』に示された各教科等の目標や内容です。その目標や内容の多くは道徳性や22の内容項目と密接に関連しており,各教科等の目標や内容に基づいて授業を行うことそのものが道徳教育を進めることになります。
◆ 音楽の鑑賞の授業で,音楽のもつ美しさに「気づき」,道徳科の授業で美しいものや気高いものに感動する心情をいっそう深める。
◆ 道徳科の授業で「友情は互いに高め合うことが大切である」という心情を深め,体育祭などの行事で実践意欲を高める。
などです。各教科等と道徳教育の内容に含まれる道徳的価値との関連を十分意識して各教科等の授業を展開するとともに,道徳教育の要である道徳科の授業を通して補うことが,学校の道徳教育を充実させることになります。
また,道徳教育全体計画の別葉として,各教科等における道徳教育の指導の内容や時期を明確にした指導計画を作成し,各教科等における道徳教育を意図的・計画的に進めることも大切です。