ここがポイント「新編 新しい書写」のいつでもQ&A

よくお問い合わせいただく質問と回答を掲載しています。
更新は適時おこなっていますのでお困りの問題を解決する際にお役立てください。

FAQよくある質問

  • 編修の基本方針の一つである「シンプルに、明快に、書くことを学ぶ」についてもう少し詳しく教えてください。

    基本単元は見開き1ページ以内で学べるコンパクトな構成とし、紙面の情報量も減らしてすっきりさせました。それにより、授業の流れや学習のポイントがはっきり分かります。授業の流れについては2年生以上で「見つけよう」→「確かめよう」→「生かそう」→「ふり返ろう」と構成を統一。その流れの中で学習のポイントである「書写のかぎ」に気づかせるよう心がけました。例えば、毛筆で「人」という字を使って学ぶときは、「右払い」「左払い」のそれぞれの書き方を1単元の中で学ぶことができます。また比較させることで気づきを促すことができるようになっています。

  • 教科書紙面にQRコードが付くのが当然のようになりましたが、どれをいつ子どもに提示するのが効果的なのかがよく分かりません。

    まずは基本単元の「見つけよう」で使ってみてください。授業の導入となるアニメーションやシミュレーションといったコンテンツで本時の学習のポイントに気づかせ、「書く」前の準備ができます。実際に「書く」場面では、大型スクリーンで運筆動画を提示するのはどうでしょうか。動画の「くりかえし」にチェックを入れると動画がループ再生されます。子どもたちはその動画を繰り返し見ることで、運筆の具体的なイメージを持って書くことができます。先生はその間に机間巡視をしながら、つまずきのある子どもに個別指導を行うことができます。このようにコンテンツは学習の流れの中に位置付くよう製作しています。

  • 教材文字を書くときに、めあてを意識せず何となく書いてしまう児童が多く、学習のポイントが定着していきません。

    3年生以上では、基本単元の各ページに対話的な学習を促す「考えたことを話し合ってみよう」のアイコンを設置しています。児童どうしで話し合って「書写のかぎ」を言語化することで、納得をもってポイントを押さえることができます。理解の個人差解消にも役立てていただけます。

  • 書写におけるSDGsへの取り組みはどう考えていますか?

    17の目標の内、特に「4:質の高い教育をみんなに」と「15:緑の豊かさを守ろう」について具体的な取り組みを行っています。教科書製造に係る環境への配慮はもちろん、書写教育においても「学びたい」という全ての子どもの思いに応えるため、左利き対応・特支対応・カラーユニバーサルデザイン・学習者用デジタル教科書(弱視)・GIGA対応(院内学級・不登校)など様々な視点で学びやすさを追求しています。

  • 授業中、つい「お手本をよく見て」「お手本のとおりに」と言ってしまいます。でもそうすると書けない子はやる気が出ず、教師も子どもも書写の授業がおっくうになりがちです。

    書写で重要なのは、教材文字(いわゆる「お手本」)そっくりに文字を書き写すことではなく、子どもたちが文字を整えるための原理・原則に気づき、あらゆる場面に生かしていくことです。この原理・原則を教科書では「書写のかぎ」と呼び、子どもたちが文字を書く際のポイントとして取り上げています。
    授業では、まず「書写のかぎ」をめあてに書いてみます。もしかしたらその単元での「書写のかぎ」はクリアできていても、ほかの課題がみつかるかもしれません。既習の「書写のかぎ」が習得できていないことは考えられます。それをその子どもの「めあて」にして加えます。1単元を学ぶ時間で、「書写のかぎ」と「自分のめあて」がクリアできたら、かなり達成感を感じられるのではないでしょうか。

Q&AいつでもQ&A

  • 教科書の文字だけでなく、書きたい文字を書くほうが学びやすいのではないでしょうか。

    教科書の教材文字は、配当学年や書字の難易度、学習事項の捉えやすさなどの観点にもとづいて、学習事項を網羅できるように精選して掲載しています。先生方が書写にかける時間が少ない中でも、教科書に掲載している教材文字を通して学習するだけで、「書写のかぎ」を習得することができます。基本を習得してから、書写の授業の時間内に限らず、いろいろな文字に「書写のかぎ」を応用していくことで、書写の学びが深まります。

  • 子どもたちは、書写の授業では丁寧に文字を書くのに、ほかの授業になると文字が崩れてしまいます。

    授業の中で子どもたちが「書写のかぎ」という原理・原則に気づき、その「書写のかぎ」を使うことで自分の文字が変わる体験ができるよう、工夫されています。この体験を積み重ねていくことで、自分の字は変えられると思うようになります。このことを日頃から意識するよう声かけし、子どもたちが心がければ、確実にふだんの文字も変わっていきます。

  • 左利きの子への指導について、どのような工夫がありますか?

    1・2年生には、右利きの持ち方と同じ大きさで左利きの持ち方の写真を掲載し、QRコンテンツでも動画で確認できるようにしています。3年生以上にも、毛筆学習時の左利きの場合の用具の置き方を示しました。
    また、教科書内の書き込み欄は、上に教材文字、下に空欄になるように配置し、手で教材文字が隠れないように配慮しています。

  • デジタルコンテンツはどのように授業で活用できますか?

    授業の最初にお使いいただけるアニメーションやシミュレーション、書字の演示に代えて流すことのできる運筆動画、「書写体操」や「鉛筆の作り方」などの資料映像など、QRコンテンツを豊富にご用意しています。ぜひご活用ください。

    QRコンテンツ
  • 準備や後かたづけに手間取っています。教科書等で何か配慮はありますか?

    各学年の教科書冒頭で準備、かたづけの流れが分かりやすいように、大きな写真で示しています。また、用具それぞれのかたづけ方について、QRコンテンツをご用意しました。

  • 低学年の指導ではどのような配慮がありますか?

    1・2年生は、イラストをふんだんに使用して、児童が楽しく、直感的に理解できるような紙面構成になっています。学習内容をクイズ形式にしたり、「まとめ」を迷路を進む活動を通して行えたりと、何度でも繰り返し教科書を開きたくなる工夫をしています。

  • 他教科の学習とどのように関連を図っていますか?

    書写で育まれた力は、どの教科でも役立ちます。そのため、他教科や学校生活で活用できるよう、さまざまな工夫をしました。活用単元「生活に広げよう」で、絵日記や作文など、国語と連動させた言語活動を取り上げています。言語活動の題材は、他教科の学習内容を取り扱っています。

  • 硬筆で始まり硬筆に返す指導の流れにはどんなメリットがあるのですか?

    書写の学習は、ふだんの文字を整えて書けるようになることが一つの目標です。毛筆は、学習には効果的ですが、児童は毛筆を使って書く機会は限られています。そのため、ふだん書く自分の文字(硬筆)からスタートして、毛筆で書くことを通して学び、ふだんの硬筆の文字に生かせるような紙面になるよう編集しました。

  • 水書指導について、「新編 新しい書写」ではどのように対応していますか?

    「新編 新しい書写」では、1・2年の教科書それぞれに水書用紙を付けています。点画の始筆から送筆、終筆という一連の動きを練習して運筆能力の向上を目指すことを目的としていますので、児童が書きやすい大きさで自由に何度も練習できるように、水書用紙は無地にしています。1年P10、2年P14に水書用筆等を使った学習方法を紙面で示すとともに、QRコンテンツで、学び方の例を示しています。

  • 平仮名で「はね」があるのは「か」だけだと聞いたことがありますが、「い」や「こ」などのはねている部分は「はね」ではないのですか。

    漢字と同じように、平仮名の終筆にも「止め」「はね」「払い」がありますが、字源から見て「はね」となるのは「か」の1画目のみです。「い」の1画目や「こ」の1画目などは、次の画へと連続的に書く筆脈から生まれたもので、「はね出し」とよばれ、いわゆる「はね」とは性質が異なります。「はね出し」の部分は、次の画へつなげるような気持ちで書くことが大切で、それが字形を整えることにもつながります。「はね出し」は目に見える形になって現れなくてもよいのですが、児童の発達段階を考慮して、「はね」と同様に扱っても問題ありません。

  • 「な」の結びは横長に書くのでしょうか、それとも三角形に書くのでしょうか。

    字源から考えると、「な」は漢字の「奈」から派生したので、三角結びが適していると考えられます。同様に、「ほ・ま・ね」についても、三角結びで示すことになります。しかし、「ほ・ま・ね」は既に横長結びで示していて、「な」だけが三角結びとして残っていました。「新しい書写」編集委員会では、平仮名に限らず、漢字・片仮名においても、文字として間違いや矛盾を起こさない限りにおいては、似ている部分は同じ形で示し、児童が文字を類型的に整理して捉えられることを重視しています。つまり、字源から三角結びが妥当と思われる「ほ」などの平仮名でも、「は」など形の似ている文字がある場合は、同じ形で学習させることをより重視し、結果として、「ほ」は「は」と同じ横長の結びで示しているのです。そこで、「な」についても、形の似ている「ほ・ま」などと統一を図りました。
    また、中学校「新しい書写」では行書を学習するため、小学校よりいっそう漢字の字源と関連付けて平仮名を扱うほうが分かりやすいという考え方から、「な・ほ・ま・ね」は三角結びで示しています。

  • 3年以上のローマ字表にある字形や筆順は、どのように決められたものですか。

    令和2年度「新しい書写」からローマ字の字形を全面的に見直し、読みやすさと書きやすさの観点から、文字の識別がしやすく、書くときの自然な腕の動きに沿った形にしました。また、筆順は、なるべく少ない回数で、効率的に整えて書けるように設定しています。字形・筆順ともに、英語教科書や国語教科書と整合性を図っています。なお、ローマ字の字形や筆順について、公的に定められたものはありません。

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