教科書・シラバスのご紹介

数学数学Advancedシリーズ

検討の観点と内容の特色

数学Ⅲ Advanced

教番
2東書 数Ⅲ315
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項目 観点

内容の選択・程度

  • *学習指導要領の教科の目標を達成するため必要な教材が適切に用意されているか。
  • *基礎的・基本的事項の理解や習得のため適切な配慮がなされているか。
  • *発展的な学習内容の取り扱いに対する適切な配慮がなされているか。
  • ○基礎的・基本的な事項が過不足なくコンパクトに網羅されている。また,例と問とのギャップをなくしスムーズに授業が展開できるように工夫して編集されている。
  • ○具体例を用いた導入から内容に入ることで,数学的な思考力・表現力が育まれるなど,学習者の意欲を喚起するように配慮されている。また,基礎的・基本的な内容の理解度が確認できるように節末に定着確認のための問題が設けられている。
  • ○「1章 平面上の曲線」では,定数kの値に応じた楕円と直線の共有点の個数の変化を例題5で取り上げるとともに,一般の2次曲線についても楕円の場合と同様に扱えることを,図を用いて示している。その際,視覚的にわかりやすいように,kの値に応じて平行移動する直線に色を付けている。(p.20~21)
    また,媒介変数表示や極方程式で表されたいろいろな曲線について,コンピュータを利用して図示した例を紹介している。(p.38~39)
  • ○「2章 複素数平面」では,複素数の積と回転について,例7では原点Oを中心とする回転を複素数の積で表す場合を,例3では点αを中心とする回転を複素数の積で表す場合を示し,2つの違いが分かるようにしている。(p.54,67)
  • ○「3章 関数と極限」では,分数関数と無理関数のグラフについて,式の形とグラフの関係がわかるように内容を丁寧に整理している。(p.78~85)
    無限級数の収束・発散では,逆が成り立たない例を紹介している。(p.109)
    極限値の計算では,例題3で,xを-tで置き換えるパターンを取り上げており,丁寧な扱いになっている。(p.117)
  • ○「4章 微分」では,合成関数の微分法の公式を利用する例題2で,公式の利用箇所がわかるように,側注を設けている。(p.143)
    媒介変数で表された関数の微分法は,曲線の媒介変数表示を1章で学んでいるため,1節の最後に取り上げ,わかりやすい簡潔な記述になっている。(p.147)
  • ○「5章 微分の応用」では,接線・法線の方程式について,1章で学んだ楕円・双曲線・サイクロイドなどの曲線も含めて,これまでに学んだ関数の接線の方程式をまとめて扱っている。(p.166~169)
  • ○「6章 積分とその応用」では,不定積分の置換積分法や部分積分法では,公式の適用箇所をわかりやすくするために,例題3や例5において同じ色を付け,解答と公式との対応を示す工夫をしている。(p.206,208)
    定積分の置換積分法では,2-x=tと置き換える基本的な例4から,置き換えに工夫を要する例題2,例題3という順に配置し,段階的に学習できるようにしている。(p.217~219)
  • ○「発展的な学習内容」には「発展」マークを付し,本文と明確に区別されている。また,関連する内容と同じ章に掲載されていて,生徒や学校の実態に応じて無理なく扱えるように工夫されている。例えば,高次導関数の発展として,「高次導関数と整式」が適切に扱われている。(p.162)
項目 観点

組織・配列・分量

  • *内容の組織・配列は,学習指導を有効に進められるように考慮されているか。
  • *分量は学習指導を有効に進められるように考慮され,精選されているか。
  • *弾力的な取り扱いに対する配慮がなされているか。
  • ○学習指導要領に示された「内容」と「内容の取り扱い」に準拠していて,生徒の実態に即した必要かつ十分な内容が適切に組織・配列されている。
  • ○例・例題→問→問題(節末)→練習問題(章末)の順に,段階を追って一定レベルの問題が過不足なく取り上げられており,その分量も適切である。
  • ○章の扉では,数学者の功績と言葉を取り上げ,数学を学習する意義や有用性を重視し,言語に対する関心や理解を深めるなど言語力育成にも配慮した構成になっている。
  • ○章の章末には「コラム」を設け,身の回りの事象を数学的に考察できるようにしている。
  • ○「数学でアクティブ・ラーニングしよう」や「思考力を高めよう」を設け,生徒が主体的に学習できるようにしている。
  • ○巻末に「演習問題」を設け,進んだ生徒への配慮もされている。
項目 観点

表記・表現及び指導に対する工夫や配慮

  • *学習意欲を高めるための配慮がなされているか。
  • *用語・記号の取り上げ方や記述のしかたは適切か。
  • *生徒の自学自習への配慮や工夫がなされているか。
  • *指導書や周辺教材での工夫や配慮がなされているか。
  • ○全編を通して本文の理解を助けるように,イラスト,図,写真が適切に用いられている。
  • ○必要に応じて色を使い,視覚的な内容理解ができるように配慮されている。
  • ○用語・記号は統一されており,記述の仕方も適切である。
  • ○綴じ込み付録として,「公式集」が添付されており,教科書の参照ページも記されているなど,自学自習のための配慮が行き届いている。
  • ○教科書を支援する指導書や周辺教材などが充実しており,指導しやすい教科書である。
項目 観点

印刷・造本上の配慮

  • *印刷の鮮明さ,活字の大きさ,行間,製本などは適切か。
  • *環境保全や生徒の多様な特性に配慮がなされているか。
  • ○活字は鮮明で美しく,写真,イラストなども鮮明で効果的である。
  • ○製本は堅牢で,開きやすい様式である。
  • ○図やグラフの色使いなど,色覚特性への配慮を含むユニバーサルデザインとなっており,全ページにわたって配色を工夫するなど,だれもが見やすい紙面になっている。
  • ○本文の用紙には再生紙と植物油インキを使用し,地球環境や資源に及ぼす影響も考慮されている。
項目 観点

総合所見

  • *上記観点から見た,全体的・総合的な当教科書の特徴
  • ○教科目標達成に必要な学習事項・定番問題がコンパクトに網羅されていること,学習内容を表す小見出しを多用した内容のまとまりのよさ,具体例からの導入,内容理解を高めるための図解・色を使った説明など,生徒および指導者にとって効率的に学習効果があげられるように編集された教科書である。また,数学の楽しさが体感できるようにも工夫されている。

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