教科書・シラバスのご紹介

数学新数学シリーズ

検討の観点と内容の特色

新数学II

教番
2東書 数II 319
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項目 観点

内容の選択・程度

  • *学習指導要領の教科の目標を達成するため必要な教材が適切に用意されているか。
  • *基礎的・基本的事項の理解や習得のため適切な配慮がなされているか。
  • *発展的な学習内容の取り扱いに対する適切な配慮がなされているか。
  • ○基礎的・基本的な事項を過不足なく取り上げ,例・例題を参考にすれば問題が解ける,問題を解くことによって数学的な思考力・表現力が育成されるなど,学習者の意欲を喚起するように編集が工夫されている。
  • ○各項の冒頭に「ねらい」,例の前には何のための問題なのかを明記する一文を設け,目的意識をもって学習に取り組めるように配慮されている。
  • ○各ページ右段に,その問題を解くために必要な公式,知識,注意すべき内容を取り上げた「側注」を設け,基礎的・基本的な知識や技能が確実に定着するように工夫されている。
  • ○ページの右段には,適宜「ここに注意!」で正答と典型的な誤りを併記してその解説を記述し,注意を喚起して正しい理解に至るように工夫されている。
  • ○「1章 方程式・式と証明」では, 章のはじめに3次の乗法公式と因数分解を扱い,その直後に二項定理を扱っている。二項定理の導入では組合せの記号の簡単な説明と計算練習を扱っている。(p.10~13) 高次方程式では,因数定理を利用した解法を扱うので,まず1項「整式の除法」を扱い,次に2項「因数定理」を剰余の定理も含めて扱うなど,理解しやすいように配慮されている。(p.28~31)
  • ○「2章 図形と方程式」では,直線の方程式は,中学校の復習から導入し,1点を通り傾きがわかっている場合と,2点を通る場合の直線の方程式を見開きで扱い,解き方が比較できるように工夫されている。(p.53~55) 円の方程式は,1点から等距離にある図形としてその方程式を求め,軌跡の方程式の考えは,節末の「チャレンジ」で,2定点からの距離の比が2:1である点の軌跡を扱っている。(p.61,66)
  • ○「3章 三角関数」では,三角関数の値を,各象限における動径の図と直角三角形の図とともに例3で示している。(p.81) 三角関数のグラフの拡大・縮小や周期は,比較しやすいように見開きで構成され,直接かき込む図も問で扱っている。(p.86~87) 加法定理は,同じ角度でのサインとコサインの両方を例1で取り上げ,式の展開の違いや値の違いが確認できるように配慮されている。(p.93)三角関数の一般角は度数で扱い,弧度法による表し方は章の最後にまとめられている。(p.96~97)
  • ○「4章 指数関数と対数関数」では,指数法則を用いた計算は,文字の場合だけでなく数の場合も例3で扱っている。(p.103) 指数関数y=2xのいくつかのyの値からxの値をみつける,という具体例を通して一般の対数を導入し,さらに,対数の記号に慣れさせるために多くの問題を扱い,対数の考えが身につくように配慮されている。(p.112~115)
  • ○「5章 微分と積分」では,導関数の計算は,数の係数で表された関数で導関数の公式を導き,側注に式変形のステップを細かくしたものや着眼点を示して丁寧に扱っている。(p.132~133) 関数の増減の導入では,グラフが下に凸の場合と,上に凸の場合の例を示して丁寧に扱っている。(p.138) 積分は,微分の逆演算として示す扱いにしている。また,不定積分や定積分の計算では,簡単な例や例題が多く,式変形も丁寧に示して理解の定着が図れるように配慮されている。(p.146~151)
項目 観点

組織・配列・分量

  • *内容の組織・配列は,学習指導を有効に進められるように考慮されているか。
  • *分量は学習指導を有効に進められるように考慮され,精選されているか。
  • *数学Ⅰとの接続に対する配慮がなされているか。
  • *弾力的な取り扱いに対する配慮がなされているか。
  • ○学習指導要領に示された「内容」と「内容の取扱い」に準拠していて,生徒の実態に即した必要かつ十分な内容が適切に組織・配列されている。
  • ○導入は数学的活動を取り入れた具体例から入り一般化されており,数学学習の意義や有用性を重視した構成になっている。また,学習のねらいが明確に示されている。
  • ○序章では,プレリュードとして,数学Ⅱでの学習に必要となる中学校や数学Ⅰの計算内容を扱っており,数学Ⅱの新たな内容がスムーズに取り組めるように配慮されている。(p.4~7)
  • ○巻末には,関連するこれまでに学んだ重要事項がまとめられている。
  • ○やや高度な内容は「チャレンジ」とし,生徒や学校の実態に応じて臨機応変な取扱いができるよう編集されている。(p.26,66,90,120,155)
項目 観点

表記・表現及び指導に対する工夫や配慮

  • *学習意欲を高めるための配慮がなされているか。
  • *用語・記号の取り上げ方や記述のしかたは適切か。
  • *生徒の自学自習への配慮や工夫がなされているか。
  • *指導書や周辺教材での工夫や配慮がなされているか。
  • ○大判(B5判)でかつ見開き2ページ構成と,見やすく,学習しやすいように編集されている。
  • ○全編を通して本文の理解を助けるように,図,イラスト,写真が多用されている。
  • ○本文は,文節の区切りで改行されており,文章が読み取りやすくなっている。
  • ○色を適切に使い,視覚的に内容理解をサポートするように配慮されている。
  • 〇用語・記号は統一されており,記述の仕方も適切である。
  • ○本文の問の側注には,必要に応じて節末の「復習問題」にある類題へのリンクが示されていて,自学自習や生徒一人ひとりの実態に応じた問題練習ができるように配慮されている。
  • ○各節末の「復習問題」では,問題の右横に関連する内容の本文ページと例や例題の番号を明記し,解けなかったときには本文にフィードバックできるように配慮されている。
  • ○各章末の「章のまとめ」では,学習した重要事項が確認できるようになっている。
  • ○巻末解答には,本書内で扱われているすべての問題に対する解答が掲載されており,自学自習できるよう配慮が行き届いている。
  • ○教科書を支援する指導書や周辺教材などが充実しており,指導しやすい教科書である。
項目 観点

印刷・造本上の配慮

  • *印刷の鮮明さ,活字の大きさ,行間,製本などは適切か。
  • *環境保全や生徒の多様な特性に配慮がなされているか。
  • ○活字は鮮明で読みやすく,写真,イラストなども鮮明で効果的である。
  • ○製本は堅牢で,開きやすい様式である。
  • ○図やグラフの色使いなど,色覚特性への配慮を含むユニバーサルデザインとなっており,全ページにわたって配色を工夫するなど,だれもが見やすい紙面になっている。
  • ○本文の用紙には再生紙と植物油インキを使用し,地球環境や資源に及ぼす影響も考慮されている。
項目 観点

総合所見

  • *上記観点から見た,全体的・総合的な当教科書の特徴
  • ○必要事項をコンパクトにまとめ,大判(B5判)のメリットを効果的に活用した紙面構成,例・例題を参考にすれば問題が解けるようにした構成上の工夫など,全体を通して問題が解けることで数学の楽しさが体感できるように編集された教科書である。

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