教科書・シラバスのご紹介

数学新編数学シリーズ

検討の観点と内容の特色

新編数学I

教番
2東書 数Ⅰ 302
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項目 観点

内容の選択・程度

  • *学習指導要領の教科の目標を達成するため必要な教材が適切に用意されているか。
  • *基礎的・基本的事項の理解や習得のため適切な配慮がなされているか。
  • *発展的な学習内容の取り扱いに対する適切な配慮がなされているか。
  • ○基礎的・基本的な事項が過不足なくコンパクトに網羅されている。また,例・例題と問のギャップをなくしスムーズに授業が展開できるように工夫して編集されている。
  • ○導入は,数学的活動を取り入れた具体例から入り,数学的な思考力・表現力が育まれるなど,学習者の意欲を喚起するように配慮されている。特に,章扉は見開きで構成され,生徒の興味・関心がより高まるように工夫されている。
  • ○例・例題で扱っている内容は基本的なものであり,基礎・基本の徹底が図られている。また,節末・章末ごとに定着確認のための問題を設けている。さらに,本文の問の末尾に節末問題へのリンクマークが付され,追加問題が扱いやすくなるように工夫されている。
  • ○課題学習は,学習の導入として章扉に設定され,学習内容に対する生徒の興味・関心を高める課題が扱われている。また,巻末に「課題解答+探究課題」が取り上げられ,更なる課題に取り組めるように工夫されている。
  • ○「発展的な学習内容」には「発展」マークが付けられ,本文と明確に区別されている。
  • ○「1章 数と式」式の一部をひとまとめにして,別の文字に置き換えるという扱いは,まず乗法公式の応用で扱ってから,次に因数分解の工夫に進むというように,段階的な扱いになっている。(p.12,17)
    連立1次不等式では,A<B<C型の連立1次不等式の解法が例題4で示されている。(p.35)
  • ○「2章 集合と論証」集合についての説明や問題の場面を表すのに,全体を通してベン図を多く用いることで,視覚的にもわかるように工夫されている。(p.44~57)
    背理法の活用例としてチャレンジ「有理数と無理数を含む式」が章末に配置されている。(p.61)
  • ○「3章 2次関数」2次関数の平方完成の変形では,例7は2次の項の係数が1で1次の項が偶数の場合,例8は2次の項の係数が1で1次の項が奇数の場合,例9は2次の項の係数が1でない場合に分け,それぞれ右側に式変形のポイントも示して,ていねいに扱われている。(p.72~73)
  • ○「4章 図形と計量」三角比の相互関係では,鋭角の場合の正弦・余弦から正接の値,正接から正弦・余弦の値を求める例題2,例題3の両方を示し,鈍角の場合も例題2,例題3で扱われている。(p.113,114,120,121)
  • ○「5章 データの分析」箱ひげ図では,データの分布を比較するのに適していることが平均気温の具体例を取り上げて示されている。(p.147)
    データの相関では,5人の生徒の数学と国語の得点の相関係数を求める例題1を到達目標に,内容が絞り込まれている。(p.152~155)
項目 観点

組織・配列・分量

  • *内容の組織・配列は,学習指導を有効に進められるように考慮されているか。
  • *分量は学習指導を有効に進められるように考慮され,精選されているか。
  • *中高の接続に対する配慮がなされているか。
  • *弾力的な取り扱いに対する配慮がなされているか。
  • ○学習指導要領に示された「内容」と「内容の取り扱い」に準拠していて,生徒の実態に即した必要かつ十分な内容が適切に組織・配列されている。
  • ○例・例題→問→節末問題→章末問題の順に,段階を追って一定レベルの問題が過不足なく取り上げられており,その分量も適切である。
  • ○新編数学Ⅰの巻末には,「中学校で学んだ基本事項」として,高校数学に関連する中学校の学習内容がコンパクトにまとめられている。
  • ○難易度の高い例題は,各章末に「チャレンジ」として掲載され,学習進度に合わせて扱えるように配慮されている。
項目 観点

表記・表現及び指導に対する工夫や配慮

  • *学習意欲を高めるための配慮がなされているか。
  • *用語・記号の取り上げ方や記述のしかたは適切か。
  • *生徒の自学自習への配慮や工夫がなされているか。
  • *指導書や周辺教材での工夫や配慮がなされているか。
  • ○全編を通して本文の理解を助けるように,イラスト,写真,図が適切に用いられている。特に,章扉は写真やイラストが多用されており,学習意欲が高められるように工夫されている。
  • ○必要に応じて色を使い,視覚的な内容理解ができるよう配慮されている。
  • ○用語・記号は統一されており,記述の仕方も適切である。
  • ○節末問題に教科書本文の対応ページが付されており,振り返り学習ができるように工夫されている。
  • ○教科書を支援する指導書や周辺教材などが充実しており,指導しやすい教科書である。
項目 観点

印刷・造本上の配慮

  • *印刷の鮮明さ,活字の大きさ,行間,製本などは適切か。
  • *環境保全や生徒の多様な特性に配慮がなされているか。
  • ○活字は鮮明で美しく,写真,挿し絵も鮮明で効果的である。
  • ○製本は堅牢で,開きやすい様式である。
  • ○図やグラフの色使いなど,色覚特性への配慮を含むユニバーサルデザインとなっており,全ページにわたって配色を工夫するなど,だれもが見やすい紙面になっている。
  • ○本文の用紙には再生紙と植物油インキを使用し,地球環境や資源に及ぼす影響も考慮されている。
項目 観点

総合所見

  • *上記観点から見た,全体的・総合的な当教科書の特徴
  • ○教科目標達成に必要な学習事項・定番問題がコンパクトに網羅されていること,学習内容を表す小見出しを多用した内容のまとまりのよさ,具体例からの導入,内容理解を高めるための図解・色を使った説明など,生徒および指導者にとって効率的に学習効果があげられるように編集された教科書である。また,数学の楽しさが体感できるようにも工夫されている。

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