- ○基礎的・基本的な事項が過不足なくコンパクトに網羅されている。また,例と問とのギャップをなくしスムーズに授業が展開できるように工夫して編集されている。
- ○導入は,数学的活動を取り入れた具体例から入り,数学的な思考力・表現力が育まれるなど,学習者の意欲を喚起するように配慮されている。また,基礎的・基本的な内容の理解度が確認できるように節末に定着確認のための問題を設けられている。
- ○「1章 方程式・式と証明」では,3次の乗法公式と因数分解の直後に二項定理を扱っている。
また,a+b+cのn乗の展開式は節末で「参考」として扱っている。(p.6~11,p.18~19)
2次方程式の実数解の符号は,実数α,βの正負と判別式Dの関係から導いている。(p.35)
恒等式や不等式の証明は,方程式の後にまとめて取り上げている。(p.46~56)
- ○「2章 図形と方程式」では,2点間の距離や内分点・外分点の座標において,それぞれ数直線上の場合から平面上の場合を取り上げることによって,同じ考えで求められることがわかるように工夫されている。(p.64,66~68)
円と直線の2つの交点を結ぶ線分の長さは,円の中心と直線との距離および円の半径から求められることを例題3で示し,図形的な見方や考え方が深められるようになっている。(p.89)
- ○「3章 三角関数」では,三角関数を含む関数の最大・最小を,方程式・不等式について扱った直後に例題8で取り上げている。(p.130)
三角関数の加法定理の応用では,例題3で2倍角で表された三角関数を含む方程式を解く問題を,例題4で不等式を解く問題を取り上げ,丁寧に扱っている。(p.138)
- ○「4章 指数関数・対数関数」では,指数関数の増加・減少の応用として,方程式・不等式の例題を3つ扱っている。(p.159~160)
対数関数の増加・減少の応用として,方程式・不等式の例題を3つ扱っている。(p.168~169)
対数関数の最大値・最小値では,例題7で2次関数の最大・最小を用いる問題を扱っている。(p.170)
- ○「5章 微分と積分」では,微分の応用として,曲線上の点における接線の求め方を例1,傾きが与えられたときの接線の求め方を例2,曲線外の点から引いた接線の方程式の求め方を例題1で扱っている。(p.190~191)
定積分の性質の応用として,定積分を含む関数を求める問題を例題4で,定積分で表された関数を求める問題を例題5で扱っている。(p.212~213)
絶対値のついた関数の定積分の問題を,例題9で面積の最後に扱っている。(p.220)
- ○「発展的な学習内容」には「発展」マークを付し,本文と明確に区別されている。また,関連する内容と同じ章に掲載されていて,生徒や学校の実態に応じて無理なく扱えるように工夫されている。例えば,高次方程式の発展として,「3次方程式の解と係数の関係」が適切に扱われている。(p.59)
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