えいごりらが全国の学校を訪問し、
授業の様子や取り組みをレポートします!
みなさんこんにちは、えいごりらです。
「前編」に引き続き、埼玉県の吉川市立中曽根小学校にやってきました!
(「前編」の記事はこちら)
そして今日はえいごりこも一緒だよ~♪
今回は予告通り、
中曽根小学校の「On-line Blended授業」(オンライン・ブレンディッド)を紹介するよ!
「On-line Blended」は、複数のALTとオンラインで英会話をする実践的な授業だよ。
前回は一人のALTとクラス全員で学習をしたけれど、「On-line Blended」では
教室にいるイザベル先生に加えて、8人のALTとリモート(Zoom)で英会話をするよ!
なんとこのうち2名はフィリピンからZoomをつないでくれているんだとか!
リアルタイムの国際通話なんだね……!
子どもたちは4人ずつグループを作ります。
手元には事前に自分で考えた英会話用の台本と、イザベル先生が用意してくれたリアクション集を置いておきます。
各机にはパソコンが一台あって、それぞれ一人のALTとZoomでつながっているよ。
石井先生の合図で「On-line Blended」スタート!
まずはグループの一人が台本を見ながらALTとの会話に挑戦だ。
今回は教科書『NEW HORIZON Elementary English Course 6』のUnit 6、7、8で学習した英語表現を使って、ALTからの質問に回答していくよ。
もちろんオールイングリッシュ!
台本を見ながら、ゆっくりになりつつも、どうすれば相手に伝わるかを考えながら話していたね~。
すべての質問に答え終えたら次の人と交代!
これを4分間、時間になったらグループ全員で隣の机に移動します。
さっきとは別のALTに対して、同じように質問と回答のやりとりをするんだって。
この一連の動作を8回繰り返して、8名のALT全員と会話をしていくんだね!
基本は台本通りに会話が進むけれど、ときどき、ALTから台本にない質問をされることがあるんだって。
急に聞かれたら焦っちゃいそうだなぁ……。
あれれ?
でも、「Who is your hero?(あなたのヒーローはだれですか?)」と聞かれた人が、
「My hero is Shohei Ohtani.」と自然に答えることができていたよ!
別のグループでも「What is your treasure?(あなたの宝物は何ですか?)」と聞かれて、
「My smartphone.」と答えられている人が!
台本にはないのに、みんなどうしてすぐに回答できたんだろう……?
その理由は、前回の授業で紹介した「ルーティーンENGLISHすごろく」にありました!
実は、ALTがアドリブで出してくる質問は、毎回の授業でやっている「ルーティーンENGLISHすごろく」に出てくる質問と同じなんだそう。
日常的に繰り返し話している内容だから、急に質問されてもスムーズに答えられているんだね。
まさに練習と実践だね!
そして、最初はたどたどしかった英語も、何度も何度も繰り返し話すことで、後半は台本を見ずにすらすら話せるようになっていたね。すごいなぁ~!
すべてのグループが8名全員と話し終わったら「On-line Blended」は終了。
協力してくれたALTにみんなでお礼を伝えて、最後は一人一人振り返りとしてルーブリック評価用紙に記入するよ。
8名の外国人と代わる代わる会話するなんて、大人でも緊張するシチュエーション……。
みんな、本当にお疲れさまでした!!
授業のあと、中曽根小学校にALTを派遣している株式会社ハートコーポレイション(以下、ハートコーポレイション)の杉山 明梨(すぎやま あかり)さんにお話を伺ったよ。
ハートコーポレイションはALT派遣事業を担っている会社で、令和6年度は吉川市のすべての小学校にALTを派遣していたんだって。
杉山さんはALTと学校の仲介役として定期的に各学校にヒアリングを行っているそう。
「派遣しているのは英会話の先生ではなくALTです。教科書や学習指導要領をよく理解してもらうため、しっかり研修を実施したうえで、学校の要望に合う方を選定しています。」
中曽根小学校のように「On-line Blended」を希望する学校には複数名のALTを派遣しているけれど、ただ派遣して終わり……ではなくて、時には授業に参加してサポートも行っているんだって!
「一生懸命に英語を話す子どもたちの表情を見ると幸せな気持ちになります。英語が得意な人もいれば苦手な人もいると思いますが、『On-line Blended』は全部自分でやらなくてはいけないわけではありません。グループ活動ですから、聞き取りが上手な人やいいリアクションをする人など、それぞれが得意な分野で協力して頑張ってもらいたいと思います。」
杉山さんの丁寧なサポートで「On-line Blended」は実現できているんだなぁ〜。
子どもたちやALTのために全力でサポートをする姿が素敵でした!
取材に応じていただきありがとうございました!
そして最後に、
授業担当者の石井 利明(いしい としあき)先生にもインタビューをしたよ。
これまで19か国を旅した経験を持つ石井先生、あだ名は「Mr. Stone」!
明るく楽しい英語の授業は子どもたちからも大人気です。
絵も大変お上手で、なんと、学校の日常風景を描いた絵画が市で表彰されたんだって。
た、多才だ~!
60歳の定年退職まで中学校に勤務されていたという石井先生。
再任用で初めて小学校で英語を教えることになり、最初は慣れないことも多かったけど、
今は毎日の授業が本当に楽しいんだって!
「『教える』なんてとんでもない。日々、子どもたちから『教わって』います。子どもたちは英語という新しいコミュニケーション・ツールを少しずつ身に付けていきます。その喜びを共有できるというのは本当に幸せなことなんです。」
普段の授業ではICT活用による「個別最適化」も意識していて、例えば一人一台端末を使って「Kahoot!(カフート)」(選択問題を用いた学習アプリ)を活用することもあるみたい。
中曽根小学校の「On-line Blended」は令和5年度からで、きっかけはハートコーポレイションからの提案だったそうだけど、子どもたちに実践的な経験をさせたかった石井先生にとって渡りに舟のお話だったとか!
「子どもたちにはリアルな経験をしてもらいたいですよね。授業を通して『英語を話せるとこんな風にコミュニケーションができるんだ』と知ることができたら、その次からの学習意識は見違えるほど変わります。それに、たとえ上手く話すことができなくても、まずは一歩、世界に踏み出せば面白いことに出会えるんだってことにも気づいてもらいたいです。」
英語の授業だから英語を覚えるんじゃなくて、相手とのコミュニケーション・ツールとして必要だから英語を話せるように練習する。そうして練習した英語で実際に会話をすることができたらきっとすごく嬉しいよね!
授業中の子どもたちは英語を話す緊張感はありつつも、それ以上にALTとの会話を楽しんでいるように見えたよ。
子どもたちにとってプラスの経験になっている証拠だよね!
また、石井先生は先生同士の情報共有に課題を感じているとのことで、積極的に授業の内容をレポートにして発信しているんだって。
「コロナ禍前と比べて、英語の先生同士がつながる機会が減ってしまったと感じています。『こんな授業があるんだ』とか『みんな同じことで悩んでいるんだな』とか、お互いにもっともっと支え合えるとイイですよね。」
なんて素敵な考え!
簡単ではないけれど、全国の先生同士で協力したり情報共有したりすることは本当に大切だよね。
実はこのてくてくえいごりらの授業見学レポートも同じ思いで公開しているんだ。
今回の中曽根小学校の記事も、少しでも全国の先生方のお役に立てたら嬉しいなぁ〜。
最後まで明るく楽しんでインタビューに答えてくれた石井先生!
いろいろなお話をしていただき、ありがとうございました!
「On-line Blended」はすごい取り組みだけど、多くの方に支えられて実現している授業なんだと実感します。
子どもたちの実生活と英語を結び付けて、「生きた英語」を経験させてあげようとする先生たちの熱い想いを感じる、素晴らしい授業でした♪
今回も実りあるレポートになりました!
2日間にわたりインタビューに応じてくれた中曽根小学校と関係者のみなさま、本当にありがとうございました~!
(取材日:2025年2月25日)
第63回 2025年6月2日
吉川市立中曽根小学校(後編)
第62回 2025年4月22日
吉川市立中曽根小学校(前編)
第61回 2024年5月7日
三重県松阪市立久保中学校
第60回 2024年3月11日
福井県小浜市立加斗小学校
第59回 2024年1月18日
愛知県一宮市立大和南小学校
第58回 2023年12月27日
奈良県葛城市立新庄小学校
第57回 2023年11月24日
石川県金沢市立西南部中学校
第56回 2023年7月7日
茨城県守谷市立守谷中学校
第55回 2023年4月17日
群馬県富岡市立高瀬小学校
第54回 2023年4月13日
岡山県津山市立津山西中学校
第53回 2023年4月3日
奈良県葛󠄀城市立磐城小学校
第52回 2023年3月3日
滋賀県東近江市立蒲生西小学校
第51回 2023年2月20日
香川県高松市立古高松南小学校
第50回 2023年2月13日
愛知県愛知教育大学附属名古屋中学校
第49回 2023年1月23日
愛知県尾張旭市立東栄小学校
第48回 2023年1月16日
奈良県王寺町立王寺南義務教育学校
第47回 2022年12月13日
佐賀県佐賀市立城西中学校
第46回 2022年12月2日
岡山県立岡山操山中学校
第45回 2022年8月31日
岐阜県多治見市立笠原中学校
第44回 2022年8月10日
石川県野々市市立富陽小学校
第43回 2022年7月26日
愛媛県松山市立久谷中学校
第42回 2022年6月29日
秋田県由利本荘市立由利中学校
第41回 2022年5月9日
群馬県みどり市立大間々南小学校
第40回 2022年4月28日
鳥取県南部町立西伯小学校
第39回 2022年4月25日
広島県廿日市市立七尾中学校
第38回 2022年4月20日
福島県西白河郡西郷村立米小学校
第37回 2022年4月1日
茨城県つくば市立みどりの学園義務教育学校
第36回 2022年3月30日
岐阜県大垣市立中川小学校
第35回 2022年3月25日
長崎県五島市立奈留小中学校
第34回 2022年3月11日
山口県下関市立長成中学校
第33回 2022年2月4日
佐賀県伊万里市立二里小学校
第32回 2022年2月4日
岩手県奥州市立水沢小学校
第31回 2021年11月15日
北海道上川郡東川町立東川小学校
第30回 2021年10月25日
滋賀県湖南市立甲西北中学校
第29回 2021年9月2日
兵庫県たつの市立龍野西中学校
第28回 2021年3月17日
群馬県前橋市立細井小学校
第27回 2021年1月8日
千葉県富津市立吉野小学校
第26回 2020年12月16日
新潟県新潟市立上所小学校
第25回 2020年11月13日
東京都品川区立芳水小学校
第24回 2020年1月24日
神奈川県横浜市立荏田東第一小学校
第23回 2019年6月21日
宮城県大崎市立古川第五小学校
第22回 2019年5月31日
秋田県大館市教育委員会
大館市立上川沿小学校
第21回 2019年5月24日
山形県川西町立小松小学校
第20回 2019年5月17日
福島県白河市立みさか小学校
第19回 2019年5月10日
大阪府高槻市立大冠小学校
第18回 2019年4月26日
宮城県利府町立青山小学校
第17回 2019年4月19日
静岡大学教育学部附属浜松小学校
第16回 2019年4月12日
広島県海田町立海田小学校
第15回 2019年3月29日
宮城県七ヶ浜町立亦楽小学校
第14回 2019年3月22日
山形県庄内町立余目第四小学校
第13回 2019年3月15日
岡山県岡山市立石井小学校
第12回 2019年3月1日
鹿児島県薩摩川内市立平佐西小学校:後編
第11回 2019年2月22日
鹿児島県薩摩川内市立平佐西小学校:前編
第10回 2019年2月15日
茨城県守谷市立守谷小学校
第9回 2019年2月8日
三重県松阪市立香肌小学校
第8回 2019年2月1日
青森県つがる市立向陽小学校
第7回 2019年1月25日
北海道旭川市立富沢小学校
第6回 2019年1月17日
高知県高知市立春野東小学校
第5回 2019年1月11日
島根県松江市立義務教育学校八束学園
第4回 2018年12月28日
千葉県我孫子市湖北地区公民館
第3回 2018年12月21日
千葉県富津市立大貫小学校
第2回 2018年12月13日
東京都港区立笄小学校
第1回 2018年12月12日
東京都文京区立誠之小学校