えいごりらが全国の学校を訪問し、
授業の様子や取り組みをレポートします!
みなさんこんにちは、えいごりらです!
今日は5年ぶりに三重県松阪市にやってきました。
(以前の記事はこちら)
松阪牛で有名ですよね!
さて、今回は松阪市立久保中学校にやってきました。
久保中学校は生徒数680名、1学年6クラスあるそう。松阪市で一番大きい中学校なんだって!
そして、約70名の生徒は外国にルーツを持つ生徒が通っているのだそう。
とっても大きい校舎。
ちなみに、松阪市は江戸時代の国学者、医師である本居宣長の出身地なんだって。
校舎の正面に立派な銅像があるよ。
松阪市では「本居宣長さんの教え5つのチャレンジ」を学びの指針として、学校や家庭で取り組んでいるんだって。
今回は、3年生のクラスを取材します。
私たちのために素敵なウェルカムボードを作ってくれてありがとう!
今日は高校入試が終わってからひさびさの英語の授業みたい。
みんな緊張してるかな?
英語の授業では、2クラスを3つに分けて授業をしているんだって。
この単元では、毎回座席やペアが違うみたい。
違うクラスの生徒とも交流ができて刺激になるね。
谷和音(たに かずね)先生の授業です!
NEW HORIZON 3「Stage Activity 3 Let’s Have a Mini Debate」の4時間目に取り組みます。
今日は、実際にディベートをやってみるそう。
でもディベートって難しそうだなぁ……。
まずは、谷先生オリジナルの「Reflection Sheet」で単元の自分の目標を確認するよ。
どれどれ? 「自分の意見を自信を持って話したい」と書かれているよ。
英語を通して「どんな自分になりたいか、目標を持つこと」はとっても大切だね。
ちなみに、単元の目標は授業を受けて少しずつ変えていってよいみたい。
まずは、学習者用デジタル教科書でディベートに必要な表現を練習するよ。
次に、グループやペアに分かれて繰り返し表現の練習をするよ。
質問の仕方など、表現で分からないことがあったら、お互いに教え合いながら取り組んでいるね。
それではいよいよディベート本番です。ドキドキ。
テーマは「Summer is a better season than winter.」(夏は冬より良い季節だ。)です。
agree(賛成 summer team)、disagree(反対 winter team)、MC(司会)、Judge(判定)に生徒が分かれて取り組みます。
まずはチーム内で、どんな主張をするか作戦会議をします。時間は1分間で考えます!
司会役の生徒(奥の2名の生徒)の進行でスタート。
まずは、agree(summer team)の主張です(写真左側の生徒)。
夏が一番。理由は二つあります。「many fesitval(たくさんのお祭り)」、「you can go swimming(泳ぎに行くことができる)」。
なるほど!
次は、disagree(winter team)の主張です(写真右側の生徒)。
なになに、「enjoy winter sports(冬のスポーツを楽しむ)」、「enjoy hot coffee,eat ramen(温かいコーヒーを楽しみ、ラーメンを食べる)」、「enjoy Christmas and New year(クリスマスや新年を楽しむ)」……。
お互いの主張を受けて、再び作戦タイムです。
agree(summer team)、disagree(winter team)の立場から、質問し合いますが、agreeから「We can eat ramen in summer, too.(夏もラーメンを食べることができる。)」と鋭い主張がありました!
どうする!? disagree(winter team)
「more delicious in winter」、「冬に食べたほうがよりおいしいよ」とすぐさま切り返しました!
ここでディベート終了。Judge役の生徒が勝敗を判定します。
勝ったのは……?
disagree(winter)チームです! ガッツポーズ!
「ラーメンは冬に食べたほうがおいしい」が決め手!
どちらのチームもすばらしい主張でした!
授業後、谷先生にインタビューさせていただきました。
今の学年は3年間を通して指導をしてきたけど、1年生の頃はどちらかというとドリル的な活動が得意な生徒たちだったそう。一方で、先生側が発問を工夫して、教科書の行間を読ませる問いや、答えのない、自分の考えを問うような質問をすると「分からない」という姿が多かったそう。
英語というコミュニケーションツールを学習する以上、「自分の考えを持たせて英語で表現する力をつけることが大切」と、指導法を切り替えたそうです。
その一つが今日の授業でも生徒が取り組んだ「リフレクションシート」なんだ。
教師側が目標を提示するだけでなく、生徒たち自身が「どうなりたいか」考えさせる機会をシートを通して提供しているんだって。
教師側が意図する単元目標は、子どもたちが授業で体験して初めて分かる。
授業を通して、新たなことに気づいて、軌道修正しながら自分の理想像を考えていける。
谷先生のこだわりが詰まった、大切なシートだということが分かりました。
今日は、松阪市教育委員会英語担当指導主事の中西博幸(なかにし ひろゆき)先生も駆けつけてくれました。
実は久保中学校は令和4年度、5年度と2年間松阪市の英語モデル校として研究に取り組んできたそうです。是非、その時のエピソードを聞かせてください!
モデル校として2年間かけて、自分の考えを持たせ、伝えるということを大切にしてきたそうで、公開研究会で生徒たちの成長を感じたそう。その公開研究会の授業の内容は、NEW HORIZON 2「Unit5 Universal Design(ユニバーサルデザインの意義)」。
久保中学校は、全ての人にとって過ごしやすい学校かどうかを生徒に考えさせたんだって。生徒自ら校内で気づいた箇所を写真に撮ってプレゼン資料にまとめたんだ。「蛇口によって車椅子の人の手が届かない」、「掲示物を英語にして、海外から来た生徒たちが読めるようにしたい」など、久保中がどうしたら、もっと良くなるかを考えさせたんだって。
今日のディベートでも「英語でこう言いたい」という生徒たちの強い気持ちが感じられたそう。即興性が求められるため、言いたい表現がすぐに見つけられないシーンもあったけれど、内容面はしっかり考えている。考えを持たせることを大事にしてきた成果が出ているって。
ちなみに、NEW HORIZON編集代表の阿野幸一(あの こういち)先生が指導・助言で入っているそう。
焼き肉パーティーをしながら、英語教育について熱く語り合ったというエピソードもあるとか。
次はえいごりらも呼んでね……。
湯浅秀紀(ゆあさ ひでき)校長先生にもインタビューをお願いしました。
はつらつとした校長先生!
具体的には、
「つながり、考え、行動する生徒の育成」が湯浅校長先生が立てた学校目標です。
・つながる:自分自身が何が好きで、何が得意か、自分とつながる。学習したことが地域や社会とつながる。自分の将来をイメージしてつながる。
・考え:知識が身について終わりではなく、自分でどう考えるか。
・行動:それを行動に移す。
興味関心を持って伝えたいという傾向が久保中学校は強いそうです。朝の挨拶もしっかりやる、行事や合唱にも全力で取り組むなど、目標を持って取り組む姿勢があるそう。
さらに、久保中学校では外国にルーツを持つ生徒がたくさん在籍されているので、さまざまな文化や考え方が日常的に触れられる環境にあって、自然と多様性を意識して、生徒はそれが普通のこととして受け入れているそうです。
「自分の考えを持つ」、「自分ごととして考える」。
生徒たちが授業で見せてくれた姿勢、谷先生の授業や湯浅校長先生へのインタビューから久保中学校が大切にしていることが伝わってきました。
そして今回も素敵なレポートになりました。ありがとうございました!!
(取材日:2024年2月7日)
第61回 2024年5月7日
三重県松阪市立久保中学校
第60回 2024年3月11日
福井県小浜市立加斗小学校
第59回 2024年1月18日
愛知県一宮市立大和南小学校
第58回 2023年12月27日
奈良県葛城市立新庄小学校
第57回 2023年11月24日
石川県金沢市立西南部中学校
第56回 2023年7月7日
茨城県守谷市立守谷中学校
第55回 2023年4月17日
群馬県富岡市立高瀬小学校
第54回 2023年4月13日
岡山県津山市立津山西中学校
第53回 2023年4月3日
奈良県葛󠄀城市立磐城小学校
第52回 2023年3月3日
滋賀県東近江市立蒲生西小学校
第51回 2023年2月20日
香川県高松市立古高松南小学校
第50回 2023年2月13日
愛知県愛知教育大学附属名古屋中学校
第49回 2023年1月23日
愛知県尾張旭市立東栄小学校
第48回 2023年1月16日
奈良県王寺町立王寺南義務教育学校
第47回 2022年12月13日
佐賀県佐賀市立城西中学校
第46回 2022年12月2日
岡山県立岡山操山中学校
第45回 2022年8月31日
岐阜県多治見市立笠原中学校
第44回 2022年8月10日
石川県野々市市立富陽小学校
第43回 2022年7月26日
愛媛県松山市立久谷中学校
第42回 2022年6月29日
秋田県由利本荘市立由利中学校
第41回 2022年5月9日
群馬県みどり市立大間々南小学校
第40回 2022年4月28日
鳥取県南部町立西伯小学校
第39回 2022年4月25日
広島県廿日市市立七尾中学校
第38回 2022年4月20日
福島県西白河郡西郷村立米小学校
第37回 2022年4月1日
茨城県つくば市立みどりの学園義務教育学校
第36回 2022年3月30日
岐阜県大垣市立中川小学校
第35回 2022年3月25日
長崎県五島市立奈留小中学校
第34回 2022年3月11日
山口県下関市立長成中学校
第33回 2022年2月4日
佐賀県伊万里市立二里小学校
第32回 2022年2月4日
岩手県奥州市立水沢小学校
第31回 2021年11月15日
北海道上川郡東川町立東川小学校
第30回 2021年10月25日
滋賀県湖南市立甲西北中学校
第29回 2021年9月2日
兵庫県たつの市立龍野西中学校
第28回 2021年3月17日
群馬県前橋市立細井小学校
第27回 2021年1月8日
千葉県富津市立吉野小学校
第26回 2020年12月16日
新潟県新潟市立上所小学校
第25回 2020年11月13日
東京都品川区立芳水小学校
第24回 2020年1月24日
神奈川県横浜市立荏田東第一小学校
第23回 2019年6月21日
宮城県大崎市立古川第五小学校
第22回 2019年5月31日
秋田県大館市教育委員会
大館市立上川沿小学校
第21回 2019年5月24日
山形県川西町立小松小学校
第20回 2019年5月17日
福島県白河市立みさか小学校
第19回 2019年5月10日
大阪府高槻市立大冠小学校
第18回 2019年4月26日
宮城県利府町立青山小学校
第17回 2019年4月19日
静岡大学教育学部附属浜松小学校
第16回 2019年4月12日
広島県海田町立海田小学校
第15回 2019年3月29日
宮城県七ヶ浜町立亦楽小学校
第14回 2019年3月22日
山形県庄内町立余目第四小学校
第13回 2019年3月15日
岡山県岡山市立石井小学校
第12回 2019年3月1日
鹿児島県薩摩川内市立平佐西小学校:後編
第11回 2019年2月22日
鹿児島県薩摩川内市立平佐西小学校:前編
第10回 2019年2月15日
茨城県守谷市立守谷小学校
第9回 2019年2月8日
三重県松阪市立香肌小学校
第8回 2019年2月1日
青森県つがる市立向陽小学校
第7回 2019年1月25日
北海道旭川市立富沢小学校
第6回 2019年1月17日
高知県高知市立春野東小学校
第5回 2019年1月11日
島根県松江市立義務教育学校八束学園
第4回 2018年12月28日
千葉県我孫子市湖北地区公民館
第3回 2018年12月21日
千葉県富津市立大貫小学校
第2回 2018年12月13日
東京都港区立笄小学校
第1回 2018年12月12日
東京都文京区立誠之小学校