「新編論理国語」ダイジェスト版
2/6

将来の社会生活も見すえた◆対話とは何か 対話とは、ただ自分の思ったことを感じるままに話すおしゃべりとは異なり、他者としての相手を想定したものである。コミュニケーションの在り方について、立ち止まって考える契機を与えてくれます。◆世界をつくり替えるために 世界と自分との間に越えがたいズレを感じることが、あらゆる未来の「種」を生み出す起点である。何のために学ぶのかを生徒に問いかける、冒頭単元にふさわしい評論です。◆少女たちの「ひろしま」 モンペ姿が強要された日常で、被爆死した少女たちが着ていたおしゃれなデザインの衣服などの遺品を撮影した写真集『ひろしま』(石内都)をきっかけに、「陽の光の下で生きていた」犠牲者たちに思いをはせる。平和について新しい視点で考えさせる文章です。◆「ふしぎ」ということ 科学的な説明がなされ、「ふしぎ」は姿を消したように見える現代社会。しかし根本的な「ふしぎ」に対しては、科学ではなく、「物語」や「神話」が重要な意味を持つ。「自分」と「世界」との関わりへの省察を促します。◆学ぶことと人間の知恵 人はなぜ勉強しなければならないのか。それは知恵を身につけるためではないか、と筆者はいいます。コンピューターとの比較を通して人間の「知恵」の本質に迫ります。◆ラップトップ抱えた「石器人」 スペースシャトルの事故など、さまざまな事例を通して、現代のヒューマンエラーとリスクの関係について考えます。人間の脳の限界に対して鋭く注意を促しています。◆思考の肺活量 すぐに答えを求めたがる私たちに、筆者は「だいじなことほどすぐには答えが出ない」のだと警鐘を鳴らし、「正解がないまま、いかに正確に処するか」が大切だと説きます。高校生活のさまざまな場面での心構えとしても示唆に富んだ評論です。◆安心について 安心とは車の後ろの座席で眠ること。漫画「ピーナッツ」の作者、シュルツの体験を語りながら、「安心」の意味と、それを味わうことのできる世界について深い思索に誘います。◆弱肉強食は自然の摂理か 「弱肉強食」は本当に自然の摂理といえるのか。この問いに対し、生態学の視点から、捕食者と被食者の関係を巡るさまざまな事例を通して検討していきます。生態系の中に生きる人間の在り方についても考えさせられます。◆複数の「わたし」 私たちは複数の「わたし」を生きている。常に同一の確固とした「わたし」があるのではなく、状況や相手との関係性に応じて別の「わたし」が引き出される。筆者は文化人類学の知見を踏まえつつ、そんな「わたし」の柔軟さに可能性を見いだしています。◆はじめに「言葉」がある 服飾デザイナーである筆者は、ファッションショーでの新作発表の前に、テーマを文章にまとめ、公表しています。あるとき取り上げたのは、「ふきよせ」という言葉でした。服飾の仕事の中での言葉との向き合い方をつづった文章です。◆楽に働くこと、楽しく働くこと 筆者自身の旋盤工としての経験を振り返り、働くことについて考えます。そのうえで、働くということを巡って考えるきっかけになる二冊の本を若い人に薦めています。…… 新教材読解教材の紹介I部単元教材名筆者テーマ字数1 広がる風景対話とは何か細川英雄言語2300世界をつくり替えるために小林康夫人生33002 考える手がかり少女たちの「ひろしま」梯久美子平和3100「ふしぎ」ということ河合隼雄心理29003 人間と知性学ぶことと人間の知恵広中平祐人間・認識3800ラップトップ抱えた「石器人」長谷川眞理子人間・認識20004 現実の中で思考の肺活量鷲田清一哲学2600安心について廣淵升彦人生27005 ものの見方弱肉強食は自然の摂理か山田俊弘環境・生命4000複数の「わたし」松村圭一郎文化25006 働くよろこびはじめに「言葉」がある堀畑裕之仕事・職業2300楽に働くこと、楽しく働くこと小関智弘仕事・職業1800 情景のなかの労働内山 節1700 鉄、千年のいのち白鷹幸伯1200教科書論理の力言語活動教材コラム・附録読解教材7

元のページ  ../index.html#2

このブックを見る