「新編論理国語」ダイジェスト版
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」より) 意見は、「資料収集と考察」「問題・関心の焦点化」「論題設定」の間を繰り返し行き来することで深められていく。「問い」から始めてもよいし、まず資料を集めてもよい。また、各自の考察や論題を持ち寄って数人で意見交換することで、新たな視点や課題に気づくこともできる。例  気候変動の資料から、「どこから二酸化炭素(CO2)が排出されているのか。」という問いを立ててスタート。  まず、日本の二酸化炭素排出量の内訳を調べてみた。炭素排出量の15.9%になるしているのかな。「エコカーという問いはどうだろう。書籍,新聞記事などをして,関連資料を探そ,考察したり推論したかを見つけよう。 資料を調べて周辺知識が増えることで,更に新たな問いが生まれる。その中で自分なりに意見をまとめられるものを選ぼう。。掘り下げたいことを焦点化していく。2564 豊かな認識5 私たちの身の回りには、連続した文字情報から成る文章以外にも、情報を視覚的に表したもの(グラフなどの図表、地図、写真、イラストなど)がたくさんある。これを「非連続型テキスト」という。ここでは、その中から図表を取り上げ、分析的に読解するための方法を学ぼう。出典を確かめる1 図表に限らず、資料を読み取る際には、まずその資料の出典をきちんと把握することが必須である。また、データなどは更新される場合があることも心得ておこう。図表が何をどのように表しているのかを理解する2 図表をただ漠然と眺めるだけでは、その内容を理解する図表の読み取り方 出典について確認する•誰によって書かれた(作成された)ものか。•どのような媒体から得たものか。•いつ発表・公開されたものか。•示されているデータはいつの事柄か。51015学習の流れ 主体的に資料の情報を活用して思考を深めるためのプロセスは、次のとおりである。 ここでは、右のプロセスを踏まえつつ、多様な資料を活用して論述する活動を行う。論述とは、論題を設定し、それについて調査・考察したことを言葉で表現することだ。まず、テーマに関する資料を集めて検討しながら自分の興味・関心を焦点化する。そこから自分の視点で論題を立て、資料の内容をもとに考察し、その思考過程を整理して論述しよう。1 資料を集めて検討し、  論題を設定する2 自分の視点と意見を整理し、  資料を価値づける3 文章を構成し、論述する さまざまな資料から情報を読み取り、それをもとに自分の意見をまとめることで、私たちは自分の思考を広げ、深めていくことができる。ここでは、設定されたテーマについて、関連するさまざまな資料を集めて考察し、意見をまとめて論述する活動を行おう。資料を活用して  論述しよう❶ 資料の収集 …目的に応じた資料を探し、取捨選択する。❷ 読み取り ……資料の趣旨を確認し、内容を正確に理解する。❸ 熟考・評価 …論理的に考察し、資料を価値づける。❹ 構成・表現 …思考を整理し、文章の構成を考えて表現する。253資料を活用して論述しよう5105する力をつける図表の読み取り方に特化したコラムも掲載。20

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