「新編論理国語」ダイジェスト版
8/10

過去31回分の5月1か月間の平均 この「学校読書調査」では、どのような本を読んだかの調査結果も公表されている。それによると、小学生では歴史や科学に関する読み物も見られるが、小中高生を問わず、物語や小説などが多いという結果であった。雑誌はあまり読まれていないことも分かった。 まずは、このように現象の実態を把握することから始めよう。図1「学校読書調査」の結果と、読書量に増加傾向がうかがえる。•中学生も本を読んでいる。小学生よりも冊数は少ないが、増加傾向は小学生と同様といえるだろう。•高校生になると、読書量はかなり少なくなり、増加傾向も見られない。仮説を立てて検証しよう951015高校生の読書 ─ 実態とその原因について1 高校生の読書の実態 「学校読書調査」は、小学生(四~六年生)・中学生・高校生の読書量や読んだ本などについて、全国規模で長年にわたって行われている調査である。これによると、小学生や中学生はよく読書をしており、その量は増加傾4 検証の過程を文章にまとめる 今回の調査・考察の過程は、次のとおりである。⑴ 高校生の読書の実態を把握する。⑵ なぜ高校生になると読書量が減るのか、仮説を立てる。⑶ 情報を収集して仮説の妥当性を検証する。 以上の過程を報告文にまとめよう。その際、小見出しを付けるなどして過程が伝わるような工夫をするとよい。また、参考にした資料は出典を明記し、引用する場合はそれと分かるように表現しよう。向にあるのに対し、高校生になると読書から遠ざかってしまうという実態が浮かんでくる。2 なぜ高校生になると読書量が減るのか なぜ高校生になると読書量が減るのだろうか。これについて自分たちの経験も踏まえてグループで話し合ったところ、「朝読書の時間」の有無、年齢にふさわしい本の有無、読書する時間的余裕の有無などの意見が出た。また、「時間的余裕」がないことについては、「部活」「授業の予習・復習」「スマートフォンの利用」などに時間を取られているからではないかという意見が出た。そこで、「高校生になると読書量が減るのは、スマートフォンに時間を取られるからだ。」という仮説を立てて検証することにした。3 仮説の検証 内閣府「令和元年度 青少年のインターネット利用環境実態調査 調査結果(概要)」(二〇二〇年四月)によると、インターネットの利用時間は小中高と年齢が上がるにつれて増加し、高校生では平日一日あたり平均四時間程度になるという。つまり、小中高と進むにつれて読書量が減少するのに対し、逆にインターネットの利用報告文の例仮説を立てて検証しよう99510152051015資料を読み解き,書く力を生徒が書く文章の完成例を具体的に示しています。教科書読解教材論理の力言語活動教材コラム・附録19

元のページ  ../index.html#8

このブックを見る