「新編論理国語」ダイジェスト版
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 更に、文章には「根」もある。文章はたいていの場合、何らかの求めに応じるために書かれている。何か問いが立てられ、その問いに答えるために文章が書かれることも多い。文章を「問い―答え」の構造を持つものとして捉えよう。そして問いに対する答えの部分が、その文章の中心的主張(言いたいこと)となる。それゆえ、問いをはっきりさせれば、その文章の中心的主張もはっきりしてくる。こ文章の根 そこで、文章を要約する前に、「この文章はどういう問いかけや要求に答えようとして書かれているのだろう。」と考えてみよう(根は導入部に書かれている場合もあるが、地中に埋もれて表に出ていない場合もある)。 では、比較的単純な要約の問題を出してみよう。問いと答えの構造に注意して中心的主張(幹)を取り出し、枝葉を切り落としてほしい。次の文章を三十字程度で要約しなさい。問755 更に、文章には「根」もある。文章はたいていの場合、何らかの求めに応じるために書かれている。何か問いが立てられ、その問いに答えるために文章が書かれることも多い。文章を「問い―答え」の構造を持つものとして捉えよう。そして問いに対する答えの部分が、その文章の中心的主張(言いたいこと)となる。それゆえ、問いをはっきりさせれば、その文章の中心的主張もはっきりしてくる。この「問い」の部分が文章の「根」にたとえられる。文章の根 そこで、文章を要約する前に、「この文章はどういう問いかけや要求に答えようとして書かれているのだろう。」と考えてみよう(根は導入部に書かれている場合もあるが、地中に埋もれて表に出ていない場合もある)。 では、比較的単純な要約の問題を出してみよう。問いと答えの構造に注意して中心的主張(幹)を取り出し、枝葉を切り落としてほしい。次の文章を三十字程度で要約しなさい。 料理が得意になるにはどうすればよいのだろうか。それには、自分で何度も作ってみるのが最も効果的だ。料理で問75105要約する力3 「要約する」とは単に文章を短くすることではない。まして、適当に文章を「つまみ食い」して並べることではない。要約は文章の構造を捉え、その骨組みを示すことである。だから、要約の練習をすることによって論理力を鍛えることができる。 文章を一本の木にたとえよう。その文章には筆者の言いたいこと(中心的主張)がある。これが「幹」である。 そして幹の部分に対して、文章を分かりやすくするために言葉の意味を説明したり具体例を用いたりする。これらは「枝」と見なしてよい。あるいは、ほかにも筆者はさまざまに読ませる工夫をしている場合もあるだろう。そうした部分は文章を一本の木にたとえたときには枝葉となる。 また、主張に説得力を持たせるためにしばしば根拠が述文章の幹と枝葉べられる。根拠は多くの場合にだいじな太い枝となる。 要約するときには、文章の幹(中心的主張)を取り出し、枝葉(読ませる工夫、分かりやすくする工夫)を切り落とす。根拠は太い枝であるから、要約の長さに応じて切り落とすか残すかを判断しよう。 文章の幹と枝葉が区別できないと、文章を読んでも藪やぶのように絡み合っていたり、箇条書きのようにただ並んでいたりするように見えてしまう。そしてまた自分でも、藪のような文章や箇条書きのような文章を書いてしまう。骨組みのしっかりした文章を書けるようになるには、要約の練習が最も効果的なのである。論理の力158510510「論理の力」で学んだことは,国語の授業の中だけではなく,社会生活のさまざまな場面で生かすことができます。を固める▪[論理の力]の教材論理とは何か1 つなげる力2 論証する力3 要約する力4 質問する力14

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