佐賀市立春日北小学校紫村直美

外国語活動における ICT の利活用

 本実践は,電子黒板を使って絵本やデジタル教材を提示することで,担任とのやりとりをしながら,1~10の数の言い方や数を尋ねる表現に慣れ親しませることを目指した授業例です。

1 単元名 How many? ~数で遊ぼう~ (第4学年)
2 単元の目標

 ○積極的に数を数えたり,尋ねたりしようとする。【コミュニケーションへの関心・意欲・態度】
 ○1~10 の数の言い方や数の尋ね方に慣れ親しむ。【外国語への慣れ親しみ】
 ○言語には,それぞれの特色があることを知る。【言語や文化に関する気付き】

3 指導計画(全3時間)
活動名・目標(時数) 主な活動 ICT 利活用

数字で遊ぼう

(1 時間)

◎問題に反応しながら数の言い方や尋ね方に慣れ親しむ。【慣】

○英語と日本語の音の違いや日本語には助数詞があることに気付く。【気】

①絵本“Spot Can Count”の読み聞かせを聞き,“How many ~?”という数を尋ねる表現や数の英語表現を知る。

②“Ten steps” を歌いながら,数の英語の音に慣れ親しむ。

③電子黒板に表示される形を数えながら,英語で数を尋ねる表現を聞いたり,数を言ったりする。

④足の数ビンゴをしながら,英語で数を尋ねる表現を聞いたり,数を答えたりする。

○電子黒板で絵本を拡大して提示しながら読み聞かせをすることで,“How many ~?”という数を尋ねる表現や数の英語表現にふれさせる。

○電子黒板で数字カードを提示し,変化をつけて繰り返し歌わせることで数の英語の音に慣れ親しませる。

○電子黒板で提示した形を子どもたちが数えている途中で次第に消していくことで,数えて答えようとする意欲を高める。

数字で数字を尋ねたり,答えたりしよう

(1 時間)

◎ ゲームをする中で ,
“How many ~?”を使って質問したり答えたりする表現に慣れ親しむ。【慣】

①Ten steps を歌いながら,数の英語の音に慣れ親しむ。

②「じゃんけんゲーム」をし,勝った数を数え1~10 の数を言う。

③「キーナンバーゲーム」をし,数の英語の音に慣れ親しむ。

④「ビンゴゲーム」をし,“How many ~?”を使って質問したり答えたりする。

○電子黒板で数字カードを提示して歌わせることで楽しい雰囲気づくりをする。

仲間を見つけよう

(1 時間)

◎“How many ~?”を使って積極的に尋ねたり,質問に答えたりする。【コ】

①「じゃんけんゲーム」をし,勝った数を数え1~10 の数を言う。

②「How many クイズ」をし,英語で数を尋ねる表現を聞いたり,数を答えたりする。

③「りんごはいくつ(仲間探し)」で,“ How many apples? ”“ Twelve (apples).”などとりんごの数を尋ね合いながら,自分と同じ数のりんごを持った友達を探す。

 
4 本時の学習指導(本時1/3)
(1)目標

 ◎問題に反応しながら数の言い方や尋ね方に慣れ親しむ。【慣】
 ○英語と日本語の音の違いや日本語には助数詞があることに気付く。【気】

(2)展開
学習活動 指導上の留意点と評価 ICT 利活用

1 挨拶をした後,英語で簡単なやりとりをする。

2 絵本“Spot Can Count”の読み聞かせを聞く。
2 絵本“Spot Can Count”の読み聞かせを聞く。

3 “Ten steps” を歌う
3 “Ten steps” を歌う

4 形を数える。
4 形を数える。

5 足の数ビンゴをする。
5 足の数ビンゴをする。

6 本時の活動について振り返る。

〇英語で簡単な会話をしながら,英語を使いやすい和やかな雰囲気づくりをする。

<めあて> 数字で遊ぼう

〇児童にも動物が何匹いると思うか問いかけて答えさせたり,繰り返される表現を一緒に言わせたりしながら読み進めることで,数を尋ねる表現にふれさせる。

〇読み終わった後,出てきた動物の数についてのクイズを出して,数の表現に慣れ親しませる。

〇日本語でも答えさせることで,日本語には助数詞があることに気付かせる。

〇児童の理解に合わせて進めるために,音源は使わず,数カードを用いて歌わせる。

〇自分の出席番号の数字部分で立たせたり,途中の数字を手拍子にしたりして,繰り返し楽しく歌わせることで,音と数字を一致させるようにする。

○子どもたちが数えている形を次第に消していくことで,数えたい,答えたいという意欲を高める。

〇案山子,鳥,犬,エリマキトカゲ,ヒトデ(触手),カブトムシ,ダンゴムシ,タコ,イカの足の数を尋ねて答えさせることで,数を数えたり,答えたりする表現に慣れ親しませる。

〇2人に1セット生き物と案山子カードを渡し,3×3に並べさせる。2人で協力してビンゴゲームに取り組ませて,数を尋ねたり,答えたりする表現に慣れ親しませる。

【評価】
◎数を尋ねる表現を聞いたり,言ったりしている。数を尋ねられて,数えて答えている。【慣】 <行動観察>

〇数字を尋ねたり答えたりする英語表現や,異文化に対する気付きを紹介する。

○モザイクをかけたり,動物を隠したりした絵本を電子黒板で提示しながら読み聞かせをすることで,“How many ~?”という数を尋ねる表現や数の英語表現にふれさせる。

○電子黒板で数字カードを提示し,変化をつけて繰り返し歌わせることで数の英語の音に慣れ親しませる。

○子どもたちが数えている途中で,電子黒板で提示している形が次第に消えていくようにすることで,数えて答えようとする意欲を高める。

5 児童の振り返りカードより

・10のことを英語でテンとよぶことが分かりました。英語の絵本が楽しかったです。

・今日の英語では,いくつあるのかなぁと思っていて,あたったときにとっても嬉しかったです。

・数字の歌が最初はかんたんだったけど,順番が変わってむずかしかった。

・今日いろいろな学習が分かってよかったです。2人で協力するのできちんと協力できてよかったです。2人で協力してするゲームが楽しかったです。

・足の数ビンゴで2つビンゴになれて楽しかったです。数字を覚えられてよかったです。数をあてるのも楽しかったです。

6 授業を振り返って

〇電子黒板で,モザイクをかけたり,動物を隠したりした絵本を提示した。“How many ~?”と問いかけたり,一緒に数えたりしながら読み進めたことで,数を尋ねる表現や数の英語表現に楽しくふれさせることができた。

〇歌で CD などの音源を使わなかったことで,児童の理解に合わせてテンポを変えながら歌うことができた。また,「数字を入れ替えて歌いたい。」という児童の思いにこたえることができた。途中の数字を手拍子に変える場面では,電子黒板を使ったことで待ち時間をなくすことができた。

〇数を数えようでは,電子黒板で提示した形がどんどん消えていったので,子どもたちが “one, two, …”と必死に数えていた。

〇ビンゴでは2人1組で取り組ませたことで,お互いに助け合いながら協力して活動することができた。ビンゴになったチームは前に出て出題することで,児童同士のコミュニケーションも図ることができた。

▲ 日本語に助数詞があることについては,一言話しただけとなり,児童の気付きや異文化理解にまで至らなかった。

7 参考文献

国際コミュニケーションの素地をつくる英語活動 ~外国語活動の指導の手引き~(佐賀県版)

平成20年3月 佐賀県教育センター

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