沖縄県 小学校教諭平良 優

英語が苦手な小学校教員の外国語活動奮闘記 ⑥
~小学校に英語がやってきた~

ひょんなことから静岡県の2つ小学校で授業をさせて頂くことになった。

連載最終回となる本稿では,その45分間の様子をお伝えいたします。

初めて出会う子供達!
簡単な自己紹介の後,早速,沖縄ネタの「言葉クイズ」からスタートした。

T=Teacher,C=Children

T:

What’s this?

Sugar

C:

Sugar!!

T:

That's right!

T:

What’s this?

cane

C:

ステッキ??

T:

他には?

C:

・・・?

T:

cane.

C:

へぇ~。

T:

Sugar plus cane is?

Sugar plus cane

C:

Sugar cane?

T:

沖縄に沢山ある植物です。
What’s this?

C:

砂糖・・・

Sugar cane

C:

あっ,さとうきびだ!

T:

That's right!

C:

すげえ!面白い!

ここで,めあて①を提示した。

めあて① クイズを通して,言葉への気づきをまとめよう。

そして,クイズを再開!

T:

What’s this?

C:

海の中?

T:

Yes!

C:

Hint, please!

T:

OK! What’s this?

C:

海ぶどう!

T:

「海ぶどう」って,海の中にある「ぶどう」なの?

C:

ちがう「海藻」。

T:

Yes! seaweed!

T:

How do you say 海ぶどう in English?

C:

Sea grape?

T:

Yes! Sea grapes!

T:

でもね,“Green caviar”と言う国もあるそうです。

C:

言葉の作りって面白いね。

T:

OK! Next! What’s this?

C:

Melon!

T:

Yes! Melon!

T:

沖縄のメロンって苦いよ!

C:

えっ?

T:

“Bitter melon”って言うんだけど?

C:

?????

T:

メロンって「なに科の植物?」

C:

???? 瓜科?

C:

苦い瓜科???

T:

Yes!

C:

分かった!苦瓜だ!

C:

分かった!苦瓜だ!

C:

すごい!

T:

Next! Very sweet fruit!

T:

What’s this?

C:

“Apple”と“mango”?

T:

夏の宮古島のNo.1フルーツです。

C:

Apple mango?

T:

Yes! Apple mango!
Very sweet fruit!
I love it!

C:

食べた~い!

T:

Next!
Very famous food in Okinawa!
What’s this?

C:

そば!

T:

沖縄そばは小麦粉なので“Noodles”!

T:

沖縄そばの上に乗っている物と言えば?

C:

ソーキそば!

T:

How do you say ソーキ in English?

C:

Sparerib?

T:

Yes! Sparerib!

T:

さて,沖縄にはファストフード店が沢山あります。
  その中で,先生のお気に入りはこれです。

T:

What’s this?

C:

Onion rings!

T:

What’s this?

C:

Soup!

T:

What’s this?

C:

Pizza!

T:

言葉クイズ終了です。
文字を見て何か気づくことは?

C:

最初が大文字だ!

T:

そうだね。他にもあるしかけをしているよ!
そうだなぁ,最初は“Sea grapes”で,次に“Soup”の並びがいいな!

・・・と絵カードを並べ替えた。

すると,

C:

分かった!しりとりだ!

T:

じゃあ並べ替えてみて!

子供達は,文字がしりとりになっていることに感動していた。
Sea grapes. - Soup. - Pizza. - Apple mango.-Onion rings. - Sparerib. - Bitter melon. - Noodles

さらに,語彙を発音させることで,文字はしりとりになっているけど,読み方(音)はしりとりになっていないことに気づいた。これこそ,日本語と英語の違いである。

ここでめあて①に対するふり返りをした。

続いて,めあて②を提示!

めあて② 気持ちのよいやりとりをしよう。

Q:

What foods do you like? A:I like ~. のやりとりである。

子供達に尋ねた。

T:

あなたにとって,「気持ちのよいやりとり」とは,どんなことですか?

子供達は,つぶやき始めた。

C:

さわやかに挨拶!

C:

笑顔でのやりとり!

C:

アイコンタクト!

そこで,各々に自己目標を設定させた。

それぞれの自己目標を意識させ,中間評価を入れながら,インタビューを行った。

そして,めあて②に対するふり返りを行った。

めあて②に対するふり返り

あっという間に45分が過ぎた。

とても,楽しいひとときであった。

本授業で,印象深かったのは,「えっ?」「なるほど!」「へぇ~」という心から感動する児童の姿であった。気持ちのよいやりとりを大切にしながらインタビューをする児童の姿であった。

本授業は,英語を専門としない普通の小学校の教員が考案したものである。

・どうやったら児童がワクワクするか。

・言葉への興味を持たせるには?

・コミュニケーションの質を高めるには?

・・・などの視点で,英語に素人ながらも,何とか授業づくりを進めている。

さぁ,いよいよ外国語科へとステップアップしていく。

英語が苦手な教員がどのような実践を創造できるか?

これからも,奮闘は続いていく!

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