広島大学附属小学校(以下,本校)では,平成26年度から文部科学省の研究開発学校指定を受け,全教科において,グローバル化の視点を取り入れたカリキュラムの開発に取り組んでおり,英語科を小学校1年生から週2コマ実施しています。「自ら学び自他のレベルを向上させるリーダーとして活躍できる子ども」の育成をめざし,「生きるために必要となる知識・技能」「文脈に応じて全体を向上させる思考力・表現力」「アイデンティティをもち,異なる文化や価値観をもつ他者との共生を創る態度」の3つの資質・能力を身に付けさせることが必要であると考えています。英語科では,それらを「言語や文化についての知識」「英語理解・英語表現の能力」「英語を使ってコミュニケーションを図る態度」ととらえています。
本校英語科がカリキュラム開発を行っている中で,CLIL(内容言語統合)型単元においては,児童が他教科で学んだことを想起しながら,教科内容を用いた言語学習を進めることで,思考力と言語能力の両方を高めることができることを目指しています。今回ご紹介する単元では,家庭科での既習内容の一部を英語の授業に取り入れることにより,この 3 つの資質・能力の中において「英語理解・英語表現の能力」を高めることに重点を置いています。小学校高学年の児童の発達段階に見合う知的好奇心を刺激する教材内容であり,英語学習に対する興味・関心をより一層高めることができると考えています。
西原 美幸
このモジュールでは,健康的な生活を送るうえで重要な 2 つの側面――健康的な食事と健康的な運動――に焦点を当てている。特にこれらが後の人生に与える利点について強調して扱う。
はじめに,児童は自分が好きな食べ物や飲み物について考えたり,好きな運動について考えたりする。続いて生命現象に着目し,生物が生命現象を営むにはそれを支える良質な栄養素が必要であるということを学ぶ。また,児童は主要な食品の分類について学び,体に良い食べ物と体に悪い食べ物があるということを学習する。
これは食物と運動に関する 5 つの単元のなかの最初の単元である。この単元では,児童は自分たちが生活したり成長したりするのに必要なエネルギーが,食べ物によって生み出されていることを学ぶ。また,児童は成分の違いによる食品の分類について学ぶ。そして各成分が,エネルギーを作る,筋肉や骨,歯を作る,体を修復するなど,体内で特定の機能を担っていることを学習する。
〇栄養素(食料と水),呼吸,行動,成長,繁殖など,人間と動物で共通する生命現象について知る。
〇健康的な食事や運動について調べ,探究する。
〇健康を害する食べ物があることを知る。(例:過度に甘いものや油の多いものなど)
〇1 時間目 『はらぺこあおむし』を読む。
〇2 時間目 食品の主要な分類と健康的な食事,栄養素の分類について,英語で学ぶ。
〇成分に基づく食品の科学的分類について知る。
〇単語の使い方を学習する。
指導の流れ | 注意点 |
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1 あいさつ |
・授業開始前に,英語の歌を流し,歌ったり英語で授業を進めたりすることで,コミュニケーションと学習のための言語を英語に切り替える。 成分に基づいて食品を分類しよう。 ・家庭科で学んだことを想起させ,新出語彙の導入を図る。 |