教科の広場
本誌は、東京書籍が発行する高校社会の教育情報誌です。特集として、本年1月に実施された「大学入学共通テスト分析」を取り上げています。高校の先生方による、現場感覚をふまえた、地理歴史科・公民科の各出題科目の分析記事です。せひご一読ください。
東京書籍(株) 社会編集部
筆者は2013年以降、東京書籍「新選日本史B」と「センター試験日本史B」の関連を分析してきた結果として、「新選日本史B」の内容だけで十分高得点を取れることを証明してきました。では、2021年1月に初めて実施された大学入学共通テストではどうだったか。本稿では、2021年「共通テスト日本史B」との関連を詳細に分析します。
多摩大学客員教授 関秀雄
近年の歴史学習では、暗記中心から歴史的思考力の育成への転換が世界的に進んでいる。本稿は、世界史B「産業革命」の単元において、「主体的・対話的で深い学び」を意識した上で、従来「暗記」が目的と生徒に認識されがちな歴史学習を、「現代に応用して課題解決につなげる」という目的に転換し、かつその意識を向上させ、思考力を育成することを目指した授業の実践報告である。
東京都立荻窪高等学校 相川 浩昭
『世界史史料』(岩波書店)を用いた授業案の第4回は、府兵制について唐令の復原資料をもとに踏み込んだ学習を行うことで、武器・兵器とは何か、換言すれば武器・兵器とそれ以外のものとの境界は何かといった、現代にも通じる課題を考える授業案をご提案させていただきます。
京都先端科学大学附属高等学校 齋藤忠和
『世界史史料』(岩波書店)を用いた授業案の第3回は、陳勝・呉広の乱について『史記』ではどう記述されているかという検証を通して、史料を批判的に読み解くことの大切さを学ぶ授業案をご提案させていただきます。
『世界史史料』(岩波書店)を用いた授業案の第2回は、秦の始皇帝が行った(とされてきた)「貨幣の統一」について、『史記』の記述とその解説から、教科書の記述と比較検討するいう授業案をご提案させていただきます。
史料を用いた世界史の授業を充実させることは、『世界史史料』(岩波書店)が出版されたときから構想していました。そこで、本年度は『世界史史料』を用いた授業案をいくつかご提案したいと思います。 まず本稿では、『世界史史料3 東アジア・内陸アジア・東南アジアⅠ』に収録されている『史記』「商君列伝」を題材に、「史料を読み解き、史料から学ぶ授業」をご提案させていただきます。
私はこれまで『清明上河図』を使って、歴史学研究に「正統的周辺参加」する授業を毎年のように実施してきましたが、現任校に赴任してからは諸事情から、なかなか『清明上河図』を授業に取り入れることができませんでした。しかし先日、清明上河図の画集を入手したのを機に、『清明上河図』を使った授業を実施しました。そこには、生徒たちに学びの楽しさを伝えたいという思いがあります。本稿でその実践事例をご紹介します。
筆者は2013年以降、東京書籍「新選日本史B」と「センター試験日本史B」の関連を分析してきました。本稿は、2020年「センター試験日本史B」の詳細な分析結果です。本分析が「新選日本史B」への信頼を高め、「新選日本史B」を使う授業の参考となれば幸いです。また生徒の皆さんが、2021年から始まる「大学入学共通テスト」でも「新選日本史B」で万全の対策をとり、自信を持って挑戦することを願ってやみません。
教員は、学ぶために本を読まねばなりません。しかし、本を読んでも、読んで終わりではすぐに忘れてしまいます。私がこの20年ほど現在まで続けているのが、「カード型データベースソフト」による文字史料・資料のデータベースの構築です。データベースを構築しておけば、必要な資料をいつでも取り出し、教材や論文の作成にと、大いに役立てることができます。今回は、私の「資料と思考の整理術」をご紹介しようと思います。
京都学園高等学校 齋藤忠和