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第69回日本文学協会国語教育部会夏期研究集会

テーマ 第三項と〈世界像の転換〉-ポスト・ポストモダンの文学教育- 
主催者(学校/団体名) 日本文学協会国語教育部会
開催日 2017年08月11日(金)  ~ 2017年08月12日(土)
学校区分 小学校  中学校  高等学校 
教科など 国語  
開催地(都道府県) 東京都  
会場 法政大学第二中・高等学校
神奈川県川崎市中原区木月大町6-1
・JR南武線「武蔵小杉駅 西口」下車 徒歩12分
・JR横須賀線(総武快速線・湘南新宿ライン直通)
  武蔵小杉駅 横須賀線口 下車徒歩15分
・東急東横線・東京メトロ副都心線・東急目黒線 等
 「武蔵小杉駅 南口」下車 徒歩10分
主な内容
(時程・講師など)
文学の授業の今日的意義、価値とは何でしょうか。
作品の教材としての強度は、授業の良し悪しは、何をもって測ればよいのでしょうか。
国語教室の多くは、未だに、どのような読みも「正解」とする「ナンデモアリ」の微温的価値相対主義から抜け出せていません。上記の様な根源的な問いに対する明確な答えも持ち得ておらず、ポストモダンの文学教育は混迷を続けていると言えるのではないでしょうか。
この混迷の問題の中心は、「読み手」と「読み手が捉えた作品」の二項関係で、読む行為を捉えてしまうことにあると、私たちは考えています。そこでは、よりよく読もうとする力学、自身の〈読み〉を更新し続けようとする、その動的過程の価値が問題にされません。
第三項論は、この二項関係の問題を打開するためのものです。読む行為を、「読み手」と「読み手が捉えた作品」の二項で捉えるのではなく、「読み手」と「読み手が捉えた作品」と、永遠に捉えられない作品そのものである第三項との三項関係によって捉えます。作品そのものは「実体」ではなく、永遠に捉えられない了解不能の《他者》であり、「読み手」が作品そのものに向けて〈自己倒壊〉への闘いを挑むなかで、〈価値〉が創造されていきます。こうした原理が、教材としての強度を測る物差しを、文学の授業の具体的方策を、これまでとは違った角度から模索することを可能にすると考えています。同時に、この原理は、教育、哲学、社会学、芸術等、現代人が抱える様々な認識の問題にもコミットする原理でもあり、その必然として〈世界像の転換〉を私たちに迫るものでもあります。
例えば新「学習指導要領案」の国語科では、「言葉による見方、考え方」の重要性が指摘され、「対象と言葉、言葉と言葉の関係」の問題が例示されています。しかし、ここでは肝心の「対象を捉えるとはどういうことか」という根源的な問いが欠落しています。新しく示される国語教育の枠組みと主体的に向き合うためにも、ここで今一度、自身の〈世界像〉を、見つめ直す必要があると考えています。
夏期研究集会のテーマである、「第三項と〈世界像の転換〉」は、これらの問いに正面から向き合うものです。幅広い立場の、多くの方々の本研究集会への参加と、そこでの活発な議論を願ってやみません。


テーマ 第三項と〈世界像の転換〉-ポスト・ポストモダンの文学教育- 
日 時 8月11日(金)~8月12日(土)

日 程
11日(金)
 12:00~ 受付開始
 13:00~ 開会挨拶 小泉浩一郎(東海大学名誉教授)
 13:15~ 基調報告 小山千登世(山梨県立富士北稜高校)
 14:10~ 提起「小説の読み方について」田中実(都留文科大学名誉教授)
 17:00  事務局連絡


12日(土)
 午前の部 9:00~12:00 実践報告(分科会)
  小学校分科会 司会 藤原和好(三重大学名誉教授)
    庄司たづこ(紀北町立西小学校)
     『おおきなかぶ』~語り手を意識して読むおもしろさ
    伊藤真希(習志野市立大久保小学校)+中村龍一(松蔭大学) 
     『白いぼうし』
  中学校分科会 司会 望月理子(北杜市立須玉中学校)
    山本富美子(北杜市立明野中学校)
     教室で読む『少年の日の思い出』
    篠原武志(洛星中学・高等学校)
     『バースディ・ガール』によって作られる読者共同体
  高校分科会  司会 山下航正(広島商船高等学校)
    丸山義昭 (新潟県立長岡高等学校)
     『舞姫』(森鴎外)の授業―太田豊太郎が意識し得ないもの―
    高野光男 (東京都立産業技術高等専門学校)
     村上春樹「アイロンのある風景」と格闘する
                ―「都市文学論」(3年選択)の授業から

 午後の部 
  13:00~ 報告(全体会) 
       須貝千里(山梨大学名誉教授)
       「中教審答申と次期学習指導要領「国語科」の検討
        ―焦点としての「理解」と「表現」、「文」までと
       「文」を超えて、「題材」 の排除と「単元」、「対象と言葉」―」
  13:35~ 実践提案(全体会)・討議  司会 佐野正俊(拓殖大学)
       小学校 山中勇夫(宇都宮市立御幸小学校)
           教材の強度とその引き出し方
            ―あまんきみこ『おにたのぼうし』『白いぼうし』―
       中学校 鈴木正和(静岡英和学院大学)
           「芥川龍之介『トロッコ』の〈主体〉の問題を読む」
       高校  山中正樹(創価大学)
           「川上博美『神様2011』の教材価値をめぐって」(仮題)
  15:40~ 討議
  16:40~ 閉会挨拶 府川源一郎(日本体育大学)


参加費 全日参加 4000円(ただし、学生は2000円)
    一日参加 2000円(学生は1000円)
注 意
・参加費は原則として前納でお願いします。
・下記の郵便口座にお振り込みの上、申込用紙を日本文学協会事務局宛にお送り下さい。
  口座番号 00160-7-23502 日本文学協会国語教育部会
・駐車場の用意はありません。お車での来場はご遠慮ください。
・ 宿泊は各自でお申し込みをお願いします。混み合うこともございますので、
  早めに申し込みください。
・一日目は終了後に懇親会を予定しております。

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問い合わせ お問い合わせ 日本文学協会  
〒170-0005 豊島区南大塚2-17-10
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E-Mail:bungaku1946@piano.ocn.ne.jp
TEL:03-3941-2740
FAX:03-3941-2740
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