テーマ | 学習指導要領における中学・高校での世界の取り扱い方について ~「ヨーロッパ連合」を例にして~ |
---|---|
主催者(学校/団体名) | |
開催日 | 2005年02月26日(土) |
学校区分 | 中学校 高等学校 |
教科など | 社会・地図 地歴・公民・地図 |
開催地(都道府県) | 東京都 |
主な内容 (時程・講師など) |
《内容:》★日本地理教育学会 2月例会 【共通テーマ】学習指導要領における中学・高校での世界の取り扱い方について ~「ヨーロッパ連合」を例にして~ 【主旨】2004年ヨーロッパ連合(以下EU)は新たに10カ国が加盟し、25カ国という巨大国家連合・巨大単一市場が出現した。EUは「ヨーロッパの平和と繁栄」を目指して1967年欧州共同体・6カ国で発足し、1992年にはマーストリヒト条約が調印され、経済通貨統合を進め、共通外交安全保障政策をとるとともに、司法・内務協力等のより幅広い協力をも目指す政治・経済の統合体になることになった。 これらの動きは、人口や貿易額でアメリカ合衆国と日本を抜き世界第1位の規模をもたらした。また、ポーランド・ハンガリーの鉱工業生産指数が、1995年を100とすると、2002年にはそれぞれ146.1、180.7となった。また、2003年の国別貿易輸出額では、ドイツがアメリカ合衆国を抜き世界第1位になるなど、着実に発展している。 しかし、EUの拡大と繁栄は多くの課題をもたらしている。例えば、広がる経済格差と経済格差にともなう空洞化に関する問題や民族問題、国家統合の問題などがあげられよう。これらの点について、駐日欧州委員会代表部では次のように述べている。「EUに加盟することを民主的に選択した国は、平和と連帯というその基本的な価値観を支持することになります。こうした価値観は、すべての市民に穏当な生活水準を保証するような環境面と地域的な広がりを考慮に入れた経済的社会的な発展を通じて表明されます。」と述べている。いずれにしろ、現代世界をとらえる上で、「壮大な実験」と言われるEUから、目を離すことはできないだろう。 さて、このようなEUを授業でどのように扱ったらよいだろうか。学習指導要領の高等学校地理Bでは、EUを「(2)現代世界の地誌的考察 ウ 州・大陸規模の地域」の単元で扱うことになるが、そこでの学習は具体的にどのようなものになるのかが課題となる。また、学習指導要領の示す「州・大陸規模の地域を地誌的にとらえる視点や方法」では、EUはどのように扱われるのかも課題になる。 主題的学習が中心の高等学校地理Aでは、「(1)現代世界の特色と地理的技能、イ結び付く現代世界」もしくは「(2)地域性を踏まえてとらえる現代世界の課題 ア 世界の生活・文化の地理的考察」が該当するであろう。これらの単元でEUの動向をダイナミックにとらえるにはどのような工夫が必要なのであろうか。これは重要な課題となる。 一方、中学校でEUは「(2)地域の規模に応じた調査 ウ 世界の国々」で扱われる。従って、国単位の学習の単元で、国単位に留まらず州・大陸規模へと発展的に学習させるとすれば、EUはどのような扱ったらよいか。2月例会では以上のような点を明らかにしたい。 急速に拡大、変革するEUを授業で取り扱うことの重要さは認識しつつも、難色を示している先生方が多いのではないかと思われる。この例会が1つのヒントになれば幸いである。フロアからの積極的な御意見も期待している。 【期日】 平成17年2月26日(土)14:30~18:00 【会場】 立正大学大崎キャンパス 3号館1階312教室 東京都品川区大崎4-2-16 TEL/03-5996-3131 JR大崎駅・五反田駅から徒歩7分 東急池上線大崎広小路駅から徒歩3分 【座長】 山田 喜一(文京学院大学女子中学高等学校) 小林 正人(東京都立鷺宮高等学校) 【レポーター】 藤田 晋 (錦城高等学校): 「戦後史の視点を軸に,地誌学習の最初にEUを扱う試み~1年地理Aの実践」 中学校1名・未定 【コメンテーター】長坂 政信(立正大学地球環境科学部地理学科教授) 【オーガナイザー】清水 幸男(日本地理教育学会副会長) 【お問合せ】清水 幸男(TEL/FAX 03-3957-5182) |