2023年11月20日 子どもの「神経性やせ症」依然高い水準=心身に残るコロナ禍―成育医療研 摂食障害の一種「神経性やせ症」と診断される子どもの数が、新型コロナウイルス感染流行下の2020年度に大幅に増加し、3年目の22年度になってもコロナ前の約1.4倍と高い水準にとどまっていたことが、国立成育医療研究センター(東京都世田谷区)の全国調査で分かった。新型コロナ対策は緩和されたが、流行長期化による心身への影響がいつ解消されるか不透明で、同センターは引き続き子どもに寄り添った対応を訴えている。 神経性やせ症は、極端な食事制限や、過食後に吐き出すなどして体重が正常より明らかに少なくなる疾患。日常生活に支障が出る恐れもある。 同センターの全国の協力病院を対象に調査したところ、22年度に初診外来で神経性やせ症と診断された20歳未満の患者は男児31人、女児245人の計276人で、コロナ流行前の19年度(199人)の約4割増だった。20年度の313人、21年度の319人と比べやや改善したものの依然深刻な状況だ。新規入院患者の増加傾向が続いており、重い症状の子どもが増えた恐れもあるという。 調査担当者は「学校行事の中止や黙食推奨が与えた心身への影響はすぐには収まらず、患者が減るか不明だ」と分析。「今後も教師や保護者ら周囲の大人が子どもとしっかりコミュニケーションを取り、居心地のいい場所を用意してあげてほしい」と話している。