小学校算数・中学校数学-教室の窓Vol.10 2007年4月発行より。中学校数学では,教科書が授業中やその前後の研究に,教師によって多かれ少なかれ使われている。よく吟味,構成がなされた教科書の内容は,限られた記述のなかに凝縮され,収められている。手にする教科書が同じであれば,誰が見ても目にする記述は,当然のことながら同じである。だが,教師による記述の扱い方は必ずしも同じではない。教師一人ひとりによって異なっている。教科書における記述は,それを扱う教師の文脈や視点により,さまざまな解釈に開かれているといえるだろう。
福島大学人間発達文化学類助教授 森本明