[特集・教えることと考えさせること]中学1年の立体図形(正多面体)において
高木徹(熊本大学教育学部附属中学校教諭)
小学校算数・中学校数学-教室の窓Vol.6(2006年1月発行)
[本文より]
正多面体の学習において,実際にその模型を作らせる場合に,展開図を与えてはいないだろうか。模型を作ることは,作らないことと比べれば意味があることに違いない。しかし,展開図を与え,それを写して紙を切り取り,組み立てさせたのでは,数学における学習の意義はあるのかと問いたい。生徒たちは,立体を見たとき,正多面体の定義からどのような面の関係にあるかを考えて,展開図を作ることができるのではないだろうか。もちろん,突然このような学習活動を要求しても展開図を作りにくいということであれば,正多面体の中でもっとも単純な正四面体において,以下のような考える場面を与えれば,次第に立体に対して論理的な見方ができるようになると思われる。
熊本大学教育学部附属中学校教諭 高木徹