[特集・教えることと考えさせること]みえるたのしさを授業に 大切にしたい「みえない」
森本明(福島大学人間発達文化学類助教授)
小学校算数・中学校数学-教室の窓Vol.6(2006年1月発行)
[本文より]
素朴で必然的な子どもの着想に心惹かれる瞬間が授業にはある。この心惹かれる子どもの着想,問題を解決する上で子どもが導き出すアイディアや工夫を,授業では何としても大切にしたいものである。このアイディアや工夫を授業でよりよくともに再考したり,よりよくともに新たにみなおしたりする過程で,私たちは数学的に考える萌芽を子どもの考える姿にみいだし,価値づけていきたい。授業で話題にし,吟味にかけたいこのアイディアや工夫の核心は,概して単に見たり聞いたりするだけではみえない(知ることができない)事柄ではないだろうか。一部の子どもにみえている事柄が他の一部の子どもにはみえない,授業ではそれを話題にしたい。
福島大学人間発達文化学類助教授 森本明