多くの人々は,ふだん山を横から眺めている。真上から見おろすのは飛行機に乗って見るときぐらいである。明治になり日本にも近代科学とともに,近代測量方法が入り,日本全土の測量が開始された。それ以前は伊能図のように海岸線などは科学的に測量されてはいたが,地表の面を三次元(水平方向の位置と,垂直の位置=標高)で表すようになったのは明治以降である。そしてこの表された数値から同じレベルを割り出し繋いだ線が「等高線」である。以後地形表現はこの等高線をベースに表現されてきたのである。
(財)地図情報センター編集委員 みずたにかずひこ 水谷一彦