[授業のポイント]多文化社会を学ぶことの意義
-気づくことから分析することへ,そして行動することへ-
唐木清志(筑波大学講師)
中学校社会-教室の窓(平成18年度教科書特集号)より
東京書籍2005年5月発行
[内容]まちには,外国人が溢れている。10年前には珍しく感じられたそのような光景も,今では当たり前のものとなりつつある。しかし,外国人がどのような目的を持って日本に滞在し,どのような悩みを抱えながら日々生活しているのかに関心を寄せる人が,われわれの周りにどれだけいるだろうか。「多文化社会」というフィルターを通すことで,生徒は現実社会の解決困難な課題の存在に気づくことができる。その気づきに始まり,生徒の学習は課題を分析することへと進み,最終的には,多文化社会における自らの役割を追究し行動することへとつながっていくであろう。この一連の学習プロセスを経て,生徒が公民的資質を身につけていくことが,多文化社会を学ぶことの意義にほかならない。
筑波大学講師 唐木清志