教室の窓「中学校社会Vol.12」2008年1月作成
[本文より]
授業の醍醐味の一つは,生徒の思い込みや価値観を揺さぶることで,生徒自身の考えを覆したり,理解を補ったり,新たな知識として再構築する営みにある。換言すれば,生徒の「あたりまえ」を一度壊し,新たな「あたりまえ」をつくり直す営みに他ならない。本書は,政治学の第一人者である著者が中高生を対象に,民主主義を正面から扱ったものであり,帯には「『あたりまえ』を疑ってみる」とある。著者は「誰もがあたりまえだと思っている民主主義。それは,本当にいいものなのだろうか?」という問題意識を持っており,この発想は,われわれの授業づくりに大きなヒントを与えてくれるものである。
山口県宇部市立常盤中学校教諭 大迫宣之