地球一周の距離は約4万kmである。地球の大きさの測定は,紀元前3世紀のアレクサンドリアの学者エラトステネスなど,古代から試みられてきた。その方法は,南北に離れた2地点の緯度の差を太陽や北極星の高度を計測し,さらに2地点間の距離を計測して,比の関係で地球一周の距離を求めるものである。天体観測で2地点の緯度の差を求めるには,2地点間にかなりの距離が必要である。しかし現代では,GPSを利用することで,一般のスマートフォンでも高精度で位置情報が取得できるようになった。そこで本稿では,小学校6年生でも可能な,地球の大きさを測定する授業について紹介する。
埼玉大学 准教授 谷謙二