まだ私が高等学校の教員をしていた頃なのでかなり以前の話だが、小学校で総合的な学習の時間に外国語活動が始まるに当たり、私が勤務する県立高校の近隣にある小学校に出向いて、2年間ほど英語の出前授業を行っていた。当時は小学校への英語教育の導入についてさまざまな議論がなされており、私自身も小学校段階から英語の授業を行うことの意義については必ずしも確信は持てないでいたのだが、この2年間の出前授業の経験を通して、小学校英語に対して賛成の立場に立つようになった。授業終了後には、訪問した小学校の学校長、あるいは教育委員会の担当者からさまざまな感想などをいただいていたが、今でも忘れることができない3つの報告について述べたい。
文教大学 国際学部教授 阿野幸一