日本の英語教育は過渡期にさしかかっていると言われて久しい。ヨーロッパで提唱された Communicative Approach(Communicative Language Teaching)が日本でも導入され,1980年代からは理論的支柱となって教育実践の改革改善も推進されてきた。ところが,この用語を現在はあまり耳にしなくなってきたというのが筆者の印象である。実情はどうなのであろうか,また日本の英語教育はどの方向に向かおうとしているのか,この分野にこれまで関わってきた者として,今後の動向は少なからず関心のあるところである。
愛知学院大学教授 杉浦正好