ニューサポート高校「社会」vol.24(2015年秋号)より。シリアとイラクの北部に,カリフを推戴する「イスラーム国(Islamic State)」が出現。内戦状態のシリアとイラクにおいて,2012 年ごろから,イスラームによる統治を掲げる武装集団が,サイクス・ピコ協定(1916年)で設定された国境を打破するとして両国をまたいで支配領域を広げていたが,2014年6月10日にイラク北部のクルディスタン自治領域の中心都市モースルを陥落させ,29日に「シリアとイラクのイスラーム国(ISIS,ISIL)」の呼称を改め,アブー・バクルという人物をカリフとした。イスラーム史上途絶えていたカリフ制を復活。
お茶の水女子大学文教育学部教授 三浦徹