自分たちの先輩が書いた作文が,それが例えば,戦時中の生活を書いたものであれば,第一級の資料であることは間違いない。かりに,そうした作文はなくとも,古い教務日誌のようなものはあるかもしれない。伝統校であれば,学校史,100年史などが編纂されているであろう。それらのもとになった記録があるはずである。そうしたものを活用して,当時の学校の行事やできごとと,社会の動きとを関連させてみることができれば,それは,どこか遠いところにある歴史ではなく,自分たちの本当に身近な足もとの歴史になるであろう。
岩手大学教授 今野日出晴