[内容]
沖縄は「琉球」と呼ばれ,礼節を重んずる国として中国から高い評価を受けていました。そのため,中国の冊封使を迎える首里城の門には「守禮之邦」の扁額が常設されるようになっていました。
『六諭衍義』の内容が,琉球の「守禮の邦」と呼ばれる世相と似ているところが多いため,理解しやすいこともあり,子弟を教育する教科書として最適であると考えたからでした。
第8代将軍徳川吉宗の手に渡ることになりました。そして,将軍の命により室鳩巣が和訳したことをきっかけとして,全国の藩校や寺子屋で道徳の教本として用いられ,その後,200 年近くも「道徳の教科書」として使われ続けることになったのです。
東京書籍(株) 社会編集部