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博多区博多駅前一丁目にある承天寺(萬松山 勅賜 承天禅寺)は,仁治三(1242)年に聖一国師(日本で初めて「国師」という号を天皇から与えられた)によって開山された寺です。開基檀越は,博多綱首の謝国明であり,土地を寄進したのが,大宰少弐 武藤資頼であると伝えられています。
仁治二(1241)年,疫病が流行した際に,聖一国師が施餓鬼棚に乗り,博多の街に水を撒きながら祈祷したことが博多祇園山笠の起源といわれていることにちなみ,この寺は山笠発祥の地といわれています。
また,聖一国師は饂飩 ,蕎麦,羊羹,饅頭の作り方を初めて日本に伝えた人といわれています。境内の墓地に博多織の創始者満田弥三右衛門の碑や川上音二郎の墓があります。
東京書籍(株) 社会編集部