中学校社会-教室の窓Vol.10 2007年4月発行より。「目標に準拠した評価」が採用されたのは平成元年の学習指導要領改正に伴う生徒指導要録改訂の通知(平成3年3月)によってであった。従来の相対評価からの転換は「新しい学力観」とよばれた。その中で「新学習指導要領に示す各教科の目標や内容を踏まえ,自ら学ぶ意欲の育成や思考力,判断力などの育成に重点を置くことが明確になるよう配慮し,観点等を改めた」と示された。相対評価のもとでは,各教科の目標を中心にして評価の観点が定められていた。そこから大きく転換し,評価の観点は生徒の学ぶ力(自己教育力)を中心とした観点として示された。社会科の観点は「社会的事象への関心・意欲・態度」「社会的な思考・判断」「資料活用の技能・表現」「社会的事象への知識・理解」の四つである。
玉川大学講師 峯岸誠