[実践紹介]「文脈を支える重要な語句」に気づかせる
第1学年 説明文教材「暴れ川を治める」
千葉繁(宮城県多賀城市立多賀城中学校教諭)
中学校国語-教室の窓Vol.4 東京書籍 2005年4月発行
[はじめに]
説明文教材を読む楽しさはどんなところにあるのだろうか。説明文は,知識や情報を,読み手に分からせようという書き手の説明的態度の強く出ている文章である。私たち読者は,そこからこれまでの自分にはなかった,何か新しい知識や情報を得ることができる。それらの知識や情報は,何らかの意味で私たちの「生活に役立つ」ものと言ってよいだろう。こうした「生活に役立つ」側面と同時に忘れてならないのは,「ノンフィクションのもつ迫力」という点である。気づかないでいたことを知ったときの驚きと喜び,しかもそれが「虚構の世界」のことではなく,現実にあることだと分かったときの感動。これが説明文を読むことによって得られる,すばらしい経験であろう。
宮城県多賀城市立多賀城中学校教諭 千葉繁