「中学生読書アンケート」の結果から
高桑弥須子(千葉県市川市立稲越小学校司書)
中学校国語-教室の窓Vol.6(2006年1月発行)
[本文より]
読書は極めて個人的な行為であるが,だからこそそれぞれの思いを尊重して,お互いに自由に語り合うことができる。そして人は,人とつながることを求める。携帯メールがこれほど浸透しているのも,そのあらわれであろう。本を介して人と人とがつながることの喜びには,共通の体験をした者どうしだけが味わえるような,大きな親密さと満足感がある。図書委員会でも,読書クラブでも,本を中心とした仲間作りができれば,子どもたちの本の世界は格段に広がる。本の世界は限りなく広い。子どもたちが「どんな本を読めばいいのか,わからない」というのもむべなるかな。ここで,本の世界の先輩である大人がよきナビゲーターとして,まず一人の子どもに水先案内をすることができれば,その一人からまたその仲間へと,さらに本の世界は広がっていくであろう。
千葉県市川市立稲越小学校司書 高桑弥須子