[本文より]
ことばの学びは,「ことば」との豊かな出合いからはじまる。ふだん,無意識に耳にし口にする母語,日本語の響きやリズム,言い回しやアクセントなどに耳を傾けたり,一つの文字や表現のもつ形,力,美しさなどに目を向けたりすることが「ことば」の学びの契機となる。私たちは,この世に誕生して以来,母親のことば(「母乳語」ともいう)を耳にし,身近な人々のことばを聞いて,生きる力としての母語「日本語」を獲得してきた。学校においては,学校生活全体の中で「ことば」を獲得していくが,とりわけ,教科「国語」の授業の中で母語との出合いを行う。
宮城教育大学教授 相澤秀夫