[本文より]
学習指導要領「書くこと」の領域に「発想や認識」に関する指導事項がある。「発想や認識」は粗く言えば,題材・問題(=課題)を発見する力のことである。この「発想や認識」の力を育成するために第1学年では「身近な生活や学習の中から課題を見付け」とあり,第2学年及び第3学年では「広い範囲から課題を見付け」と明示されている。この場合の「身近な生活や学習」という文言を狭く解釈すべきではない。生徒の日常生活や現実生活そのものと解釈する必要はないということである。同様に「広い範囲」ということも,単に生徒を取り巻く社会生活・自然・文化そのものという意味だけに解釈する必要はない。
茨城大学教授 大内善一