新学習指導要領の完全実施の年となり、1年生での「ガイダンス的な内容の設定」は、生活の自立や家族関係、消費・環境とを少しずつちりばめながら、教科指導のスタートが定着してきた。しかし3年生での、「幼児とのふれあい活動」をどのように取り扱うかが明確にならないまま今年度をスタートしてしまった。また、幼児自身に焦点を当てると言うより、子どもが育つ環境としての家族や家庭、幼児とのふれあいや生活に重点をおいた内容となるため、これまでのように、幼児の心身の発達を詳細に取り扱う時間が確保できなくなった。そこで、1つの題材を学ぶことで、複数のねらいを達成できる教材を開発することが有効となると考えた。本稿はその実践の報告である。
山口県宇部市立黒石中学校 田中真砂美