今年度実施された全国学力・学習状況調査では,新たに理科が追加された。そこで,小学校理科の問題の特徴を検討することにする。
まず,出題された問題は,「知識」に関する問題(7問)と「活用」に関する問題(17問)から構成され,とりわけ「活用」に関する問題は,「適用」「分析」「構想」「改善」を枠組みとして作成されていることが特徴である。さらに,学習指導要領に示された4つの科学の基本的な見方や概念の柱,評価の4観点,過去の調査で定着率に課題が見られた内容等との関連が考慮され,全体的にバランスのよい出題となっていることも特徴といえる。
広島大学大学院教育学研究科准教授 木下博義