大学に入って読んだ英語学の専門書には,中学校や高等学校で習った「2度目に同じ名詞が出て来たら, the を使う」という「文法規則」が誤りであると,文例とともに記されていた。
このように,中学校や高等学校で学習した「教育文法」が,後に,誤りだった(正確な記述ではなかった)と知ることはよくある。中学校では,have to と must の違いを,あるいは will と be going to の違いを大学のときほど区別して教えない。それどころか,ほとんど同じ意味の言い換え表現として学習されることも多い。
山口大学教授 高橋俊章