[本文より]
本校の位置する道泉小学校区は,「焼き物のまち」の中心として栄えてきた所であり,20年近く前までは,大手の陶磁器工場が数社あり,ほかにも校区のいたるところに中小の工場や絵付けや転写などの内職をする家庭が数多く見られた。しかしながら,1ドルが150円を割り始めたころから陶磁器の輸出が減少の一途をたどり,閉鎖する工場が増え始め,その跡地に大きなマンションが建設され,校区の景観は随分変わっていったのである。本学年の児童の様子を見てみると,47名のうち,道泉小学校区で生まれ育った子はわずか13名, 瀬戸市の他地域で生まれた子を合わせても瀬戸市で生まれた児童は半数以下の15名であり,ほかの多くは,大手陶磁器工場跡地にできたマンションに名古屋市や尾張旭市などから転居してきた児童である。このような現状であるため,現在瀬戸市で生活してはいても,瀬戸市の伝統文化についてほとんど知らないのが現状である。こういった子どもたちに対して,ふるさと瀬戸の伝統文化に愛着をもち,ふるさと瀬戸を愛する子になってほしいと考え,本研究主題を設定した。
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愛知県瀬戸市立道泉小学校 橋本昌典・弓削恵理子