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音楽の二つの側

  • 音楽
  • エッセイ
公開日:2000年01月28日
音楽の二つの側

[本文より] 子どもの頃,私はハーモニカが大好きだった。

どうやら息を吹いたときはトニック(といった言葉はまだ知らなかったが)が鳴り,吸った時はそれ以外の音がすると理解していた。

残念なことに半音の出ない楽器だから,トニック感で始まる「荒城の月」などは演奏できないと思っていた。ソ,ソ,ド,レ,ミb,レ,ドー,ラb,ラb,ソ,ファ,ソーとなるはずだからである。ところが,同じ楽器を使って「荒城の月」を正しく吹いて聴かせてくれた人がいて,これにはびっくりした。つまりその人はミ,ミ,ラ,シ,ド,シ,ラーと吹いていたからだけなのだが,この工夫が私の第一の音楽におけるカルチャーショックと開眼だった。小学2年生の頃だったと思う。

作曲家 若松正司

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