もうずいぶん昔のことになる。当時私が勤務していた小学校の,高学年のあるクラスでは,雰囲気が次第におかしくなりつつあった。男子の中に,不平不満のかたまりのようなグループができていたのである。リーダー格の児童を取り巻く児童は最初数人だったが,いつの間にかクラスの男子の半数近くになっていた。彼らはまず担任に反抗し始め,担任の一言一言に揚げ足をとったり,嘲笑したりするようになった。チャイムを無視し,授業中にグループで校舎内をうろつくこともあった。
筑波大学附属小学校教諭 熊木眞見子