[名曲のふるさと]「里の秋」千葉県いすみ市岬町
教室の窓「小学校音楽Vol.8」2007年9月作成
[本文より]
作曲家,海沼實は,明治42(1909)年1月に長野県松代町(現長野市)に生まれた。昭和7(1932)年上京し,東洋音楽学校(現東京音楽大学)に入学。在学中に児童合唱団「音羽ゆりかご会」(優れた童謡歌手を輩出し,現在でも活動中)を設立した。昭和19(1944)年から,義姉の嫁ぎ先であった千葉県岬町岩熊(現いすみ市)の法興寺をたびたび訪れ,同地の山野や田園風景をモチーフに抒情豊かな童謡を作曲するようになった。子どもたちの“心のおやつ”になるようにと,生涯にわたり約3000曲もの童謡を作曲した。「みかんの花咲く丘」「お猿のかごや」「あのこはたあれ」など数多くの曲が,JOAK(現NHK)の電波にのり,日本全国はもとより海外にいる人々にまで“夢と希望と勇気”を与えることとなった。なかでも作詞家斎藤信夫とのコンビで作曲した「里の秋」「蛙の笛」は,今日でも多くの人たちに親しまれている。昭和46(1971)年,62歳で他界した。
東京書籍(株) 音楽編集部