[本文より] 美術作品と制作のプロセスはどのような関係にあるのだろうか。これは素朴でありながらなかなか難しい問題だ。もっと平たく言ってしまえば,どこまでがアイデアであり,どこからが作品なのだろう。あるいは,作品はいつつくり始められ,何をもって完成したと判断されるのか。
パフォーマンスや一部のインスタレーションやワークショップに見られるごとく,コンテンポラリーアートには,はじめから実体としての作品づくりを意図しないものや,作品自体が変容することに価値をおく制作が行われており,これは当然に図工・美術教育の実践にも影響を及ぼしている。
「美育文化」編集部 穴澤秀隆