[本文より]先日,関東のある小学校で高学年の造形遊びの授業を参観した。この学校では,造形遊びが日常的なものではないらしく,授業を担当された先生も高学年の造形遊びをするのは,初めてだということであった。あまり,ほめられたことではないのだが,地域によってはこういう状況がある。残念なことである。
この授業は,校庭を使って行われた。強風の中で,まさに風の子である子どもたちは,造形活動を楽しんでいた。強い風を逆に利用して風の造形などを楽しむ姿が印象的であった。高学年の楽しい造形活動(造形遊び)の内容でもある「材料や場所などの特徴をもとに工夫して,楽しい造形活動をするようにする。」に示された「など」 の部分,すなわち「生活の場や天候などの自然や社会を加えた環境」を子どもたちは 充分に工夫して活動していたように思う。先生と子どもたちの間にも,日常的に信頼関係が構築されていることが,こちらにも伝わってきた。
山梨大学 栗田真司