今回のテーマは,教科書を活用したコミュニケーション活動についてである。現在出版されている英語教科書の多くが,PPP(Presentation=新しい学習事項の提示,Practice=学習事項についてのドリル,Production=学習事項を用いたコミュニケーション活動)の3段階の構成をとっている。この構成に従えば,第3段階でコミュニケーション活動を行うことになるので,その前の2つの段階では,英語の言語材料についての学習に集中すればよいように思われるが,それらの段階でもコミュニケーション活動の要素を組み込んだ教材の扱いが可能であり,生徒の実態に応じてそれらの活動を組み込むことで,指導効果を上げることができるであろう。
元文部科学省初中局主任教科書調査官・視学官 小串雅則